横断歩道を渡っていた歩行者に対し、交差点を右折してきたクルマが衝突して逃走する事件が起きた。事故を目撃したタクシーが追走して逃走車を抑止し、警察が運転していた男を逮捕している。

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1日午後11時20分ごろ、福岡県福岡市中央区内の県道で、徒歩で横断歩道を渡っていた歩行者に対し、交差点を右折してきた乗用車が衝突する事故が起きた。歩行者は重傷を負ったが、クルマは逃走。警察は後に運転者を逮捕している。

福岡県警・福岡中央署によると、現場は福岡市中央区天神5丁目付近で片側2車線の直線区間。交差点には横断歩道と信号機が設置されている。17歳の女性は青信号に従い、徒歩で横断歩道を渡っていたところ、交差点を右折進行してきた乗用車にはねられた。

女性は足を骨折するなどの重傷を負ったが、クルマは逃走。事故を目撃していたタクシーが追跡するとともに、このクルマを抑止。通報を受けた同署員がクルマを運転していた博多区内に在住する37歳の男を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。

現場は福岡市の中心部にあたり、昼夜を通して交通量の多い区間。逮捕時、男は酒に酔った状態で、呼気からは高濃度のアルコール分を検出した。聴取に対しては「酒を飲んでいたので現場から離れた」などと供述しており、警察では飲酒した場所や量の特定を急ぐとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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福岡県では飲酒運転に起因した事故が相次いでおり、警察も取締りを強化しているが、飲酒運転してしまう側に「たいしたことがない」という認識が強く、大きく数を減らすことができないでいる。

今回の事故も歩行者は重傷を負っているが、逮捕された運転者は「酒を飲んでいたので現場から離れた」程度の認識しかなく、飲酒運転が引き起こす事故の重大性を理解していないところが伺える。