スズキ ジムニー 新型《撮影 中野英幸》

新型『ジムニー』は、全体的に非常によい印象を残す仕上がりだった。

モノコックではなく、ラダーフレームの上に車体を乗せる構造のクルマに久しぶりに乗ったが、悪路走破性を最優先した本格的四輪駆動車らしい、逞しく、かつ路面に対ししなやかに動くサスペンションの様子を伝える走り方であった。

舗装路では、ややサスペンションの動きがよいことによるロールをカーブで意識させるが、不安定ではなく、また高い速度で舗装路を走るようなクルマでもない。

今回は未舗装路での試乗も試すことができた。パートタイム式で副変速機付き四輪駆動という、昔ながらの駆動方式だが、ヒルディセントコントロールやヒルホールドなどの電子制御機能が組み入れられ、電子制御機能によるグリップを得ながら、自分で悪路を走破したという実感も持つことのできる、安心して遊べる仕上がりになっている。

今回は、5速マニュアルシフト車での悪路走行となったが、「4L」を選び2速ギア固定で慎重にアクセルコントロールすれば、順調に凹凸や傾斜の激しい未舗装路を越えていく。

排気量660ccのガソリンターボエンジンは、3500rpmで最大トルクを発生する設定で、わずかなアクセル操作にも適切に力を発揮し、運転しやすいエンジン特性でもあった。

前型から20年ぶりのモデルチェンジであり、この先も永くモデルを維持していかれるのではないかと想定すると、電動化された本格的四輪駆動車の姿も今後は模索されていくことが期待される。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おススメ度:★★★★★

御堀直嗣|フリーランス・ライター
玉川大学工学部卒業。1988〜89年FL500参戦。90〜91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。

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