パッケージの★は3つだ。全長5105mm。日本では駐車場を選ぶ大きな体格のクルマ、私の基準ではどう考えたって★はひとつで十分なのだが、しかしながら、この大きさでしか表現できないのびやかで流麗なボディライン、そして乗り心地などを合わせると、3つ、つけざるをえない。
ボディの後ろにかけて、なだらかに下がるルーフライン。大きなリアウィンドーは思い切り寝かされている。荷物室は、このリアウィンドーごと開くので、さぞや重いのだろうと思いきや、そこはそれ、高級車たるもの電動開閉機能つきでスイッチひとつで軽々と大オープンしてくれる。ついでに、ナンバープレートの下あたりに足をかざすだけでも開閉するので、とても使いやすいのだ。
人がふたり、隠れられるのではないかというくらい広い荷室は床下にも収納があり、この床自体にもダンパーが装着されているので、開いた状態でキープしてくれる。荷物を満載してロングツーリングに出かけてねという意思表示がしっかりと感じられる。
ハンドルの握りは太く、しかも表面がふんわりと柔らかい。手のひらに伝わってくるのはストレスを感じさせない安心感だ。そして、サスペンションは、エアサス。これがまあ、しなやかでなめらかで、でも、ふわふわとしない安定感があって、心地よさがじわじわと伝わってくる。
路面に凹凸があっても、脳のすみっこのほうでかろうじて認識できる程度で、試乗しているあいだ、ずーっと感じていたのは、「ああ、もっと乗っていたいなあ。このまま大阪まで行っちゃおうかな」という脱走欲求だ。まさに、ロングドライブのために作られたクルマ。長距離、長時間、気持ちのいい移動が約束されている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。
【BMW 6シリーズ グランツーリスモ 試乗】「脱走欲求」に駆られる…岩貞るみこ
2018年08月02日(木) 21時00分
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