
日本国内向け限定50セット、フランスの名門FOCAL(フォーカル)の上級モデルの技術が投入されたBMW用FOCAL INSIDE「IS BMW100KL」を装着したデモカーが完成したという知らせを受け、千葉・木更津の三井アウトレット前にある「フォーカル プラグ&プレイ本店」に行ってきた。
◆一目でFOCALとわかる黄色いコーン紙が採用された限定モデル
1989年の誕生以来、FOCALサウンドを象徴するアイコンであり続ける黄色のコーン紙。高級カースピーカーのレジェンドと言うべきアラミドファイバー振動板の色褪せない魅力を最新技術でアップデートして限定モデルとして今回発売された。
FOCALは幅広い車種への専用設計された「FOCAL INSIDE」(フォーカルインサイド)と呼ばれるトレードインスピーカーのシリーズがある。BMW専用モデルも当然ラインアップされており、リーズナブルな価格で、車体側の加工無しに取り付けられることから愛車のインテリアを変更することなく高音質を得たいというユーザーに高い評価を受けている。
ただその見た目の地味さからFOCALの象徴である黄色いコーン紙の採用を求めるニーズは根強くあった。今回そのマーケットニーズに応えるべく、一番需要の高いBMWモデルに数量限定で採用されたという経緯のようだ。
◆前席はもちろん後席にも上質なサウンドを届ける
今回取材したBMW840iにはフロントとリアに(IS BMW100KLx2ペア)+センタースピーカー(BMF30KVTC)、さらにBMW特有のシート下スペースへのサブウーファー(ISUB BMW4 x 2 本)が設置されていた。
フロント、リア、センタースピーカー・ユニットは、ウーファーだけでなく、ツイーターにも同じ黄色いアラミド繊維の最新技術Mインバーテッド・ドームツイーターを採用するあたり、FOCALの本気度がうかがい知れるというものだ。
◆ナチュラルで優しいサウンドに包まれる感覚
クリア感と低音の広がりもしっかり備えた高音質
フロント、リア、センタースピーカー全てのユニットが同一素材で、音色の統一が図られているこのシステムの音が悪かろうはずがない。
ただコクピットに座って純正スピーカーグリルまわりを見ても、全くの純正状態であり、FOCALのブランドバッジ以外はスピーカー交換の痕跡さえ感じさせない。高級モデルに乗るユーザーが気にする純正イメージを完全に維持したまま高音質化を実現しているのだが、薄っすらと透けて黄色いコーンが見えた時に自然と口元が緩むオーナーを想像してしまう。
ひとたび音楽再生が始まると純正とはまったく異なる豊かで心地良い音楽空間が出現する。高品質なスピーカー群が奏でる、ふわりと包み込まれるような柔らかでナチュラルなサウンドが印象的だ。解像度の高い鮮明な音なのだがシルクタッチの滑らかでスムースなイメージを兼ね備えている、そんな高品質な音が楽しめる。高域はカッチリした印象、楽器の音がクリアで伸びる、解像度の高いサウンドが心地良い。中域はキリッと引き締まった印象で余分な余韻を残していないイメージだ。十分な低域も再生し広がり感もあり豊かさを感じさせるサウンドに仕上がっているのもバランスが良い。全体的にサウンドの“質”の高さを感じさせるのがこの車種専用キットの印象だ。車種専用キットでありトレードインモデルでここまでのサウンドを引き出せるのは注目に値する。
FOCALの威信をかけた限定モデル、BMWのスピーカー交換を検討されているオーナーは売り切れる前にお近くのフォーカル取扱店舗にお問い合わせを。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。






