ダイナミックマップが提供する高精度マップに、道路標識などゼンリンが持つ詳細な情報を加えることで、自動運転で必要となる詳細な情報の提供が可能になる

高精度地図を手がける地図大手のゼンリンは、「アジア太平洋地域ITSフォーラム2018福岡」(5月10日まで開催)へ出展し、IoT連携によって様々な業界から収集したビッグデータを活用する「地図エコシステム」構想と、自動運転に向けた地図ソリューション「ZGM Auto」を紹介した。

ゼンリンが提案してきた「地図エコシステム」とは、自動車やモバイル端末などIoT機器から得られる位置情報ビッグデータを連携・活用する、新たな地図データの“情報プラットフォーム”のこと。ゼンリンはこれまで日本国内において、カーナビゲーションなどで使う地図データを提供する最大手として揺るぎない地位を築き上げてきた。しかし、自動運転で求められる高精度地図では、地図そのものに新たな価値を持たせなければ今後の競争に打ち勝つことは難しい。

そこで、たとえば自動車やモバイル端末が取得した情報と地図データで生じた差分をいち早く統計処理し、自動運転に有効な最新地図データの提供を可能としていく新たな地図ソリューションを提供することとしたのだ。ゼンリンによれば「これまでのように単に地図データを提供していればいいという時代は終わりを告げており、これからは自社の地図データをパッケージとしてどこまで魅力的にして提供できるかにかかっている」とする。

今回の展示では、その一環として新たなデータソリューション「ZGM Auto」をビデオ映像で紹介。これは、ダイナミックマップ基盤が開発した共通基盤地図(高精度三次元地図)をベースに、競争領域となるゼンリン独自の詳細地図情報を加えた“高精度マップ”としている。会場では動的情報との連携や、更新データを差分で逐次提供する手法について紹介していた。

ゼンリンが新たな地図ソリューションとして提案している「ZGM」の解説パネル 「アジア太平洋地域ITSフォーラム」に出展したゼンリンのブース