日産 CPLOのフィリップ・クラン氏《撮影 池原照雄》

日産自動車の商品企画などを担当するCPLO(チーフ・プランニング・オフィサー)のフィリップ・クラン氏は3月23日、横浜市の本社で記者会見し、2017年度から22年度までの中期計画に対応した車両の電動化や自動運転技術の展開方針などを明らかにした。

このなかでクラン氏は、電動化については電気自動車(EV)とシリーズ式のハイブリッド車(HV)である「e-POWER」を合わせ、中期計画最終の22年度までにグローバルで年100万台の販売を目指すと表明した。実現のため、EVについては同年度まで新たに8車種を開発・投入する計画も公表した。

これらには20年までに投入するグローバルモデルのクロスオーバーEVや、日本向けの軽自動車EVなどが含まれる。また、EVの迅速な展開が求められる中国では、ローカルブランドの「ヴェヌーシア」なども含め、18年から重点投入する方針も打ち出している。中国では中期計画で40車種の新モデルを発売するが、半数をEVおよびe-POWERによる電動車とする計画だ。

e-POWERについても車種展開を進め、現在の日本のみから東南アジア、中国、南米にも販路を広げる方針を示した。現中期計画後の25年時点での地域別の電動車比率は、日本と欧州が50%、米国は20〜30%、中国は35〜40%と想定している。

クラン氏は22年度までに100万台の販売を目指す電動車の内訳については「国によって異なるし、(計画しても)変動は激しい。中期計画の期間中のイメージとしては、大多数がe-POWERになると思っている」と指摘した。また、PHV(プラグイン・ハイブリッド車)やFCV(燃料電池車)といった他の電動車については「無視するとか、検討していないわけではない」としながらも、「顧客の対価と電動車のメリットのバランスが必要。PHVやFCVはコストが高く、(当面の)中心はEVとe-POWERになる」と語った。

一方、自動運転技術については、日本や米国で一部車種に採用している「プロパイロット」の設定モデルを22年度までに20モデルに拡大し20か国・地域の市場に投入する計画としている。同技術の高度化も併せて推進する。

日産リーフ新型(米国仕様) 日産 セレナe-POWER《撮影 雪岡直樹》 日産ノートe-POWER《撮影 宮崎壮人》