UL Japanブース(オートモーティブワールド2018)《撮影 吉田瑶子》

米国第三者安全科学機関 UL Inc.の日本法人であるUL Japan は、国内初の CISPR 25:2016 Edition4 Annex I 対応EV/HV用試験設備「EHV Chamber」を愛知県みよし市に新設。今夏より稼働を開始する。

同社ブースでは、完成間近のEV/HV向け固定型ダイナモメーター搭載電波暗室「EHVChamber(Electric & Hybrid Vehicle Chamber)」のイメージパースを公開。来場者に国内初・国内唯一の CISPR 25:2016 Edition4 Annex I 対応設備について発信し、「最新の車載関連試験をワンストップで」とアピールしていた。

この CISPR 25:2016 Edition4 Annex I は、EV/HVに搭載される高電圧電源製品の新たな評価方法で、2016年10月に追加された国際規格だ。

今夏から稼働する CISPR 25:2016 Edition4 Annex I 対応EV/HV向けダイナモ搭載電波暗室は、同社が2017年6月に稼働させた自動車業界向け試験所「オートモーティブテクノロジーセンター(ATC)」内に新設。

同社の「EHV Chamber」では、最高トルク125Nm、最高回転数12,000rpm、動力吸収容量170kWまでの実負荷を再現できる。

「アメリカや欧州が、排ガス規制や燃費規制を開始するなど、各国の次世代自動車普及へ向けての対策が急速に進んでいる。国内各車両メーカーや部品メーカーも、EV/HV に関する試験要求に対応すべく、迅速な体制づくりが求められている」と語るのは、同社コンシューマーテクノロジー事業部の中山勝シニアエンジニアと白藤啓太チームリーダー。

「電波暗室内にモーターなどを設置し、つながる隣の部屋で、走行を想定した実負荷を制御。近年、増加傾向にある車載向け高電圧製品にも対応し、幅広く、ワンストップで顧客の要望に対応したい」(中山勝シニアエンジニア)。

延床面積1900平米のATC内には、IOP(相互接続性)試験室1基、環境試験室1基、電気試験室2基、シールドルーム2基、3m法電波暗室2基、自動車EMC用電波暗室3基、そして新たに設置した CISPR 25:2016 Edition4 Annex I 対応EV/HV向けダイナモ搭載電波暗室1基がある。

このATCでは、車載機器のEMC試験を基軸に、電気、環境、IOP(相互接続性)などの試験が実施され、「既存の高電圧対応電気試験に加え、欧州メーカーがEVに要求する電気試験、LV123、LV124、LV148、ISO7637-4を含めた、2つの最新試験をワンストップで提供できる」と来場者に伝えていた。

白藤チームリーダーは「この EHV Chamber でいち早く試験させたいというサプライヤーやメーカーから、多くの問い合わせをもらっている。オーダーもすでに入り、この夏のスタートですぐに試験が始まる」ともいう。

「われわれは、最先端試験設備 EHV Chamber の導入で、EV/HV 市場拡大に備えるメーカー各社の試験・開発体制構築をサポートし、次世代自動車の普及と、自動運転技術の実現に貢献していく。これからも、未来のクルマに向けたトータルソリューションを提供していく」(中山勝シニアエンジニア)。

さらに同社ブースでは、EHVChamber の紹介のほか、自動運転の実現に不可欠なサイバーセキュリティ分野の新サービスも紹介していた。

CISPR 25:2016 Edition4 Annex I 対応EV/HV用試験設備「EHV Chamber」《画像 UL Japan》 UL Japan コンシューマーテクノロジー事業部 EMC/無線グループ ATC 中山勝シニアエンジニア《撮影 吉田瑶子》 UL Japan コンシューマーテクノロジー事業部 コマーシャルグループ マーケティング 白藤啓太チームリーダー《撮影 吉田瑶子》 UL Japanブース(オートモーティブワールド2018)《撮影 吉田瑶子》 UL Japanブース(オートモーティブワールド2018)《撮影 吉田瑶子》 UL Japanブース(オートモーティブワールド2018)《撮影 吉田瑶子》 UL Japanブース(オートモーティブワールド2018)《撮影 吉田瑶子》 UL Japan コンシューマーテクノロジー事業部 中山勝シニアエンジニア(右)と白藤啓太チームリーダー(左)《撮影 吉田瑶子》 UL Japanブース(オートモーティブワールド2018)《撮影 吉田瑶子》