ホンダは8月31日、東京・南青山の本社で新型軽乗用車『N-BOX』の発表会を開催した。2代目の今回の開発では、旧モデルが今も売れ続けているということもあって、開発責任者の白土清成氏は苦労したそうだ。
「実は私は初代N-BOXの開発にも携わっていたので、担当しろと言われた時には、一瞬迷い、悩んだ。しかし、初代N-BOXの良さを分かっている私に仕事をしろということは、全く変えろということではなく、今あるいいものをさらに良くしろということなんだろうと切り替えた。ただ、デザインがちょっと変わっただけ、燃費が少しよくなっただけという車を出しても、それでは新しい車を出したことにはならないと考えた」
そこで、デザインは初代の路線を踏襲しながら、中身を大きく変えることにした。構成部品の9割を見直し、ホンダセンシングを標準装備にして安全性能も大幅に進化させた。車の重要についても、80kgの軽量化を実現している。白土氏によると、使い続けたのはボルトなどの基本部品ぐらいだそうだ。
それだけに、意思統一をしながら開発を進めるのが大変だった。「ホンダの開発陣は車好きも多くて、ややもすると走って楽しい車をつくる傾向が強い。しかし、N-BOXのようなファミリーカーははやり普通の人が乗って、乗り心地を良くする必要がある。そういうところを確実に進化させるということが難しかった。何もしないと、ずれて行ってしまうので、かなり気を遣った」と白土氏は説明する。
また、燃費は旧モデルよりも1.4km良くなったが、決してカタログ燃費を良くしようとして開発したわけではないという。実燃費と走りの両立を目指して開発したら、カタログ燃費も良くなったのだ。今回のN-BOXはアクセルを軽く踏んでも、エンジンが回って加速する。その結果、高速道路などでスピードを出すために、通常の軽自動車のようにベタ踏みして加速することが少なくなった。ベタ踏みをしてエンジンを高回転させる走り方は一番燃費が悪くなると言われている。
「今回のN-BOXは、自分が実際に乗って走ってみたら、かなりいいできに仕上がったと思う。特に走りのスムーズ感、街中でハンドルを切って曲がっていく時の操作性が非常にスムーズで、軽自動車というよりも良くできたコンパクトカーと言ってもいい」と白土氏とその出来映えに自信を見せていた。
【ホンダ N-BOX 新型】開発責任者「操作性がよく、軽自動車というよりもよくできたコンパクトカー」
2017年09月01日(金) 11時15分
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