
ジャガー・ランドローバー(JLR)は、再生可能素材とリサイクル素材を70%以上含有するタイヤを自動車業界で初めて導入すると発表した。
同社は世界的タイヤメーカーのピレリと共同で新型「P Zero」タイヤを開発。米殻由来のシリカや植物由来樹脂などの環境配慮素材を使用しながら、品質と性能基準を妥協することなく実現した。
新タイヤは今年、22インチホイールを指定した『レンジローバー』の一部モデルに標準装備される予定で、その後他ブランドへの展開拡大を目指す。
タイヤのウェット性能向上に使用されるシリカは、米の製粉時に生じる天然副産物である米殻から調達。従来の化石燃料ベースのポリマーや樹脂は、農業副産物や使用済み食用油などの植物由来代替品に置き換えられた。
また、リサイクル素材も活用し、一次原料への依存を軽減している。ゴム化合物の安定性、強度、耐久性向上に重要なカーボンブラックは使用済みタイヤから回収し、リサイクル鋼材はハンドリングと安定性向上に使用される。
新P Zeroタイヤには、FSC(森林管理協議会)認証の天然ゴムも含有している。JLRは昨年、サプライチェーンにおける天然ゴムの責任ある管理確保のため、FSC認証天然ゴムタイヤの全ポートフォリオ展開を業界初でコミットしていた。
両社は製品におけるリサイクル・バイオベース素材の使用拡大という共通ビジョンを持ち、将来的にはタイヤの100%達成を目指している。

