パイオニアが、車載向けディスプレーを手がけるCarUXホールディング傘下に《写真提供 パイオニア》

アンプやスピーカーなどのオーディオ製品の“名門企業”というよりも、若い人たちにはカーナビや車載音響機器の大手メーカーとして知られるパイオニアが、台湾液晶大手の群創光電(イノラックス)子会社で、車載向けディスプレーを手がける自動車部品メーカーの傘下に入ることになったという。

パイオニアとイノラックスの両社が発表したもので、きょうの産経や日経などが報じている。それによると、パイオニアの全株を保有する欧州系の投資ファンドEQTが、イノラックス子会社でシンガポールに拠点を置くCarUXホールディングに1636億円で売却。2025年中に取引を完了する予定で、パイオニアを傘下に収める背景には、「自動車のスマホ化」で高機能化が進み、安定的な成長が見込まれる運転席周りの情報・娯楽システムの車載パネルや関連事業をグループ一体で強化する狙いがあるとみられる。

台湾メーカーのイノラックスは液晶パネルの世界大手。CarUXは「スマートコックピット」と呼ぶ運転席周りのディスプレーシステムを自動車メーカーに納めており、特に米国の車メーカーとの関係が深いとされている。

パイオニアといえば、昭和世代のオーディオマニアにはおなじみの老舗の音響機器メーカーだったが、レコード盤からカセットテープ、さらにCDへと移り変わる時代の流れの中で、商品開発などの遅れで経営が悪化。2019年にはアジア系ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(BPEA)傘下に入ったほか、22年にスウェーデンを本拠とするEQTがBPEAを買収。そのオーディオの名門企業も今度は台湾の自動車部品メーカーに“身売り”とは嘆かわしい。

2025年6月27日付

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「カロッツェリア」ブランドを展開するパイオニアのカーナビ(AVIC-RQ722-DC)《写真提供 パイオニア》