5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 ブラックエクスプレス《photo by RAM》

ステランティス傘下のラムブランドは、ピックアップトラック『ラム1500』の2026年モデルに、5.7リットルHEMI V8エンジンを復活させると発表した。

HEMIエンジン搭載車の注文受付は既に開始されており、最初の車両は今夏に米国のディーラーに到着予定だ。

ラム1500は2025年モデルから6気筒エンジンに移行していたが、この伝説的なエンジンに対する顧客の強い要望により、HEMI V8の復活が決定された。

2026年モデルのHEMI搭載ラム1500には、ラムのデザインチームが新たに作成した「Symbol of Protest」バッジがフェンダーに装着される。このバッジは、HEMI V8ブロックによって力強く前進するラムをデザインしたものだ。

HEMIエンジンは、トレーズマン、ビッグホーン、エクスプレス、ウォーロック、ララミー、レベル(後期販売予定)、リミテッド、ロングホーンの各グレードで選択可能となる。

5.7リットルHEMI V8は395hpのパワーと410lb-ftのトルクを発生し、可変カムシャフトタイミングとシリンダー休止機能により燃費性能も向上している。

注目すべきは、クラス唯一のV8ハイブリッドシステム「eTorque」の搭載だ。このシステムは従来のオルタネーターをベルト駆動のモータージェネレーターユニットに置き換え、48ボルトバッテリーパックと組み合わせることで、スムーズなエンジン始動・停止、トルク補助、ブレーキエネルギー回生を実現する。初期スロットル操作時には最大130lb-ftのトルクが利用可能だ。

eTorqueシステムは430ワット時のリチウムイオンバッテリーを後部座席後方の防音エンクロージャーに収納し、空冷式で内部換気を行う。デュアル冷却ファンにより最適なバッテリー温度を維持しながら、乗員には静かな設計となっている。

3キロワットのDC-DCコンバーターが48ボルトを降圧して従来の12ボルトバッテリーを充電し、アクセサリーに電力を供給する。寒冷地での始動には従来のスターターモーターも搭載している。

eTorqueの利点は始動・停止機能にとどまらず、シフト性能の向上、燃費向上のためのシリンダー休止機能の改善、加速・制動時の移行のスムーズ化により、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)の低減にも貢献している。

新エンジンは最大1万1470ポンドの牽引能力と1750ポンドの最大積載量を実現する。

5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 レベル《photo by RAM》 5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 ブラックエクスプレス《photo by RAM》 5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 レベル《photo by RAM》 ラム1500に搭載される5.7リットルV8「HEMI」エンジン《photo by RAM》 ラム1500に搭載される5.7リットルV8「HEMI」エンジン《photo by RAM》 ラム1500に搭載される5.7リットルV8「HEMI」エンジン《photo by RAM》 5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 ブラックエクスプレス《photo by RAM》 5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 ブラックエクスプレス《photo by RAM》 5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 ブラックエクスプレス《photo by RAM》 5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 ブラックエクスプレス《photo by RAM》 5.7リットルV8「HEMI」エンジンを搭載するラム1500 ブラックエクスプレス《photo by RAM》