
「S8(ホンダ『S800』) みたいなクルマを作りたい」。最初にデザイナーの想いがあったという。ホンダ『S2000』はデザイナーが作りたいクルマから企画がスタートした。1999年に発売されたS2000は海外でも人気となり、2009年に生産が終了した後も多くのファンがいる。
三樹書房が『ホンダS2000<二訂版> リアルオープンスポーツ開発史』を刊行、各部門の担当技術者21名がS2000の企画の発端や開発の経緯を詳細に綴る。開発コンセプトからエクステリアデザインおよびインテリアデザイン、エンジンをはじめとしたパワートレインなど、実際の開発でのできごとや奮闘、目標達成までのストーリーを執筆している。
巻頭口絵ではデザイナー自らがデザイン開発の展開を解説。さらにカラーカタログによるモデル変遷や、生産台数、年表なども収録。一般には知られていなかった事実や未公開だった資料も収録されている。
初版は2022年。本書は、ホンダS2000が誕生20周年を迎えたのをきっかけに、開発を統括した上原繁氏と開発責任者の塚本亮司氏の「S2000について書籍としてまとめたい」という想いをうけて、編集部とともに企画されたそうだ。
そして2025年に、2.2Lエンジン搭載の「RG」が日本でデビューして20周年を迎えるにあたり、内容の再確認と図版の追加などを実施し、カバーデザインを一新した二訂版が刊行された。本書執筆陣のまとめを担った塚本氏とパワーユニット開発責任者の唐木徹氏からの“メッセージカード”が同梱されている。


