
『日本のオートバイの歴史 <増補三訂版> 二輪車メーカー興亡の記録』が三樹書房から発行された。著者は東京大学名誉教授の富塚清氏で、長年にわたりオートバイの研究・調査に携わってきた。
日本のオートバイメーカーは最盛期には120社以上存在し、技術的にも経営的にも激しい競争を繰り広げた。その結果、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4社が中心となり、世界市場を制覇するまでに成長した。この興亡ドラマを、富塚氏がわかりやすく紹介している。
日本のオートバイ産業は現在、世界第1位である。「カメラやトランジスタ・ラジオなども同様に発展したが、オートバイの飛びぬけた成長は特筆に値する」と著者はいう。なぜなら戦前のオートバイ産業は町工場レベルで、輸出もほぼゼロだった。しかし、戦後の復興期において、メーカーの数は急増し、技術水準も急速に向上したからだ。
戦後10年で日本のオートバイメーカーは世界有数の数となったが、技術水準はまだ低かった。しかし、その後の急速な成長により、世界一の座を獲得するに至った。
最盛期には120社以上のメーカーが存在し、技術的にも経営的にも激しい競争を繰り広げた。その結果、現在ではホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4社が残り、世界市場を制覇した。「源平時代や織田・徳川の戦国時代などに比べても決して見劣りのしない、興亡ドラマである」と著者は綴る。
2001年に刊行された同書に、新たに当時の製品カタログなどを使用したカラー口絵(24頁)を収録した増補三訂版が今回発行された。


