進化するエアクリーナーカスタマイズ! パワーアップと安全性の両立を目指して〜カスタムHOW TO〜

エアクリーナーはエンジンに吸い込む空気からゴミを濾し取る装置。それと同時にエンジンにスムーズに空気を送り込むのに重要な役割を持っている。

そこで昔からエアクリーナーのカスタマイズが人気。吸気効率を高めることでアクセルレスポンスは良くなり、パワーやトルクもアップする。また、吸気音も大きくなって走る気持ちよさもアップできる。それでいて、マフラーやエキマニのカスタムに比べるとコストを抑えられることもあって、チューニングの初歩として人気の部位だ。

◆自分に合ったエアクリーナー形状を知ることからスタート
その種類にもいくつかあり、純正エアクリーナーボックスのまま、内部のエアクリーナーフィルターのみを高効率品に交換するチューン。エアクリーナーボックス自体を外してむき出しのエアクリーナーを付けるタイプ。純正エアクリーナーボックスに代わり、アフターパーツメーカー製のボックスに交換するなどの選択肢がある。

90年代、00年代のチューニングカーではこのむき出しエアクリーナーに交換するのが定番だったが、近年はその装着率が下がっている。そもそもこのむき出しエアクリーナーは円形の表面積の大きなフィルターにすることで吸気抵抗を抑え、スロットルに繋がる部分のパイプを太くすることで、こちらでも効率よくエンジンに空気を送り込もうとする狙いがある。

しかし、近年のクルマは吸気温度に対して敏感になっている。エンジンに送り込まれる空気の温度によって補正がかかり、その空気の温度が高くなると空気が膨張して同じ体積の中でも酸素が減るので、それに合わせてガソリンの噴射量を調整。つまりパワーが出なくなる。そういったデメリットもあるので、最近のチューニングカーではむき出しエアクリーナーの採用が減っているのだ。また、同時に最近の純正エアクリーナーボックスは相当に性能が高く、吸気の抵抗になっていることも少ないというのもある。

◆むき出しエアクリは工夫と環境で最強装備に!?
では、むき出しエアクリーナーがダメかというとそうではない。エンジンルームの熱を吸い込まないようにすれば良いだけ。そこでパーツメーカー各社ではむき出しエアクリーナーを囲むカーボン製ボックスをセットで販売にしたり、ダクトを引いて外気をダイレクトにむき出しエアクリーナーに当てるなど、各社ともに吸気温度が上がらないように工夫が見えられるのだ。

さらに進化させ、専用のエアクリーナーボックスをカーボンなどで作り、その内部にむき出しエアクリーナーを収めるタイプの置き換え型のエアクリーナーボックスも増えている。こちらはかなり高価になるものの、空気取り入れ口を前方に向けることで走行風を押し込むラムエア効果が期待できたり、圧倒的なエアクリーナーボックス容量で大幅なパワーアップに対応できたりもする。ターボ車でのタービン交換のような大幅パワーアップ時にはこういったパーツと組み合わせるのも有効だ。

また、気をつけたいのはエアフロメーターへの影響。エンジンに吸い込まれる空気の量を計測しているエアフロメーターはとても重要。純正エアクリーナーボックスではそのエアフロメーターに当たる風の角度なども計算されているが、インテークパイプやエアクリーナーボックスごと変更などをするとエアフロメーターの計測値が狂ってしまうこともある。

ハードなチューニング時はそういったズレもECUチューンの1台ずつ補正するので問題ないが、ECUチューンなしでエアクリーナーボックスだけを変えるなどのときは不具合が起きることもある。エンジンの調子を崩したり、エンジンチェックランプが点灯することなどもある。国産メーカーのエアクリーナーやボックスであれば、そういったことも考慮されているのでまず問題はない。

しかし、安価な海外系通販で購入した吸気系だとそういった不具合も起きがち。最悪の場合、エンジンブローにもつながる部分なので、安心して使用できるメーカーのパーツを選んでもらいたいところだ。

エアクリーナーのカスタマイズは時代に合わせて徐々に変わってきているが、その効果は体感できる。とくにピークパワーやトルクには現れないアクセル操作に対するエンジンの反応がよくなり、乗っているドライバーとしてとても気持ちよく加速できるようになる。この数値に現れない部分の効果も大きいし、排気系と違って車検に特に関係しない部分だけに手を出しやすいパーツでもある。チューニングの最初の一歩にオススメの部位なのだ。

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