ポルシェ・マカン 次期型のEVプロトタイプ《photo by Porsche》

ポルシェは1月11日、SUV『マカン』(Porsche Macan)次期型のEVの最新プロトタイプの写真を公開した。マカン初のEVは現在、スカンジナビアのマイナス30度から、カリフォルニア・デスバレーのプラス50度まで、プロトタイプによる過酷な開発テストが進められている。

「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」をベースに構築された最初のポルシェとなるのが、EVバージョンの次期マカンだ。PPEはアウディと共同開発。このアーキテクチャーは、ホイールベース、トレッド幅、最低地上高などを柔軟に変えることができ、さまざまなセグメントの異なるボディタイプに使用できるのが特長だ。これにより、ポルシェとアウディは、パッケージやスペースの点で、PPEのメリットを享受できるという。

次期マカンには、永久磁石シンクロナスモーター(PSM)と呼ばれる電気モーターを搭載する。高性能モデルの場合、オーバーブースト時の最大出力は612hp以上、最大トルクは102kgm以上を引き出す。

電子制御式の「PTM(ポルシェ・トラクション・マネージメントシステム)」は、102kgmを超えるトルクをほぼリアルタイムで配分する。マカンならではのハイパフォーマンスと快適性を両立させるため、2バルブダンパーテクノロジー、エアサスペンション、リアアクスルロック、最大5度の操舵角を持つリアアクスルステアリングを備えた「PASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)」を採用している。

バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は100kWh。800ボルトテクノロジーによって、最大出力270kWで充電できる。400ボルトの充電ステーションでは、およそ22分で充電レベルを10%から80%まで引き上げることができる。バッテリーの高電圧スイッチにより、800ボルトのバッテリーを2つのバッテリー(各バッテリーの定格電圧は400ボルト)に効果的に分割し、バンク充電を可能にした。これにより、HVブースターを追加することなく、最大出力150kWで効率的な充電が行える。AC充電は最大11kWまで可能とした。

空力に関しては、自動展開するリアスポイラーや、フロントエアインテークにアクティブ・クーリング・フラップを採用する。車両の床下は、レーシングカーのようにフラットで閉じている。通常のクルージングでは、リアスポイラーがエコポジションに移動し、エアフラップが閉じ、車高が下がる。この状態での抗力係数は0.25と、現行マカンの0.35を上回る。これらにより、次期マカンは最もエアロダイナミクスに優れたSUVのひとつとなる、と自負する。WLTPサイクルの航続は、すべてのバリエーションで500km以上、としている。

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