YADEAの3輪電動モビリティ。《撮影:根岸智幸》

電動キックボードが今年4月の法改正で公道を走りやすくなったことで日本、国内での人気も高まっている。累計7000万台以上を出荷した香港の電動2輪モビリティ企業YADEA(ヤデア)も未発売の3輪電動バイクを含めた各種電動モビリティのラインナップをジャパンモビリティショー2023に出展した。

◆大人が自転車代わりにキックボード
現在販売中の電動キックボードは、「一般原付」(従来の原動機付自転車)の枠内で乗れる『KS5 PRO』と新しい「特定原付」に該当する『KS6 PRO』の2機種だ。

一般原付のKS5 PROは法定速度30km/hで公道を走れるが、原付免許とヘルメットの着用が必須となる。乗れるのは18歳以上だ。特定原付のKS6 PROは、免許なし、ヘルメットは努力義務で16歳以上から乗れる代わりに、車道では20km/h以下、歩道では6km/h以下に制限される。

いま売れているのは、特定原付のKS6 PROのほうで、買っているのは10代の若者ではなく成人したおとなたちで、特に地方で50歳以上の人が自転車の代わりに乗っているケースが多いそうだ。KS5 PROが18万2600円(税込み)、KS6 PROが19万8000円(税込み)という価格もあって、10代の若者が気軽に乗るというわけにはいかないようだ。

ハードスペック的にも、両機種ともに前輪がドラムブレーキで後輪がディスクブレーク+電動ブレーキ、500Wのモーターを搭載し、立ち乗り電動スクーターに近い乗り物だと言える。

◆デザインが魅力の電アシと3輪バイク
そのほか、電動アシスト自転車の『TROOPER-01』と『HUNTER』(2024年2月発売予定)も展示されている。TROOPER-01はアウトドア指向のヘビューデューティなデザインで297,000円(税込み)。HUNTERは折りたたみ式だがこちらもアウトドア系のデザインで予価25万円(税込み)。

また、発売はまだ未定だが3輪電動モビリティの『Tiker』と、3輪電動バイクの『Shadow』も展示されている。YADEA独自の多輪傾斜バランスシステムと前輪が2つの逆3輪構造で安定性も高いとされる。

YADEAの日本での輸入総代理店となっているのは、長谷川工業株式会社で、本業はハシゴや脚立の会社で、ここでも異業種からの参入が起きている。

『KS06 PRO』(特定原付)《撮影:根岸智幸》 『KS05 PRO』(一般原付)《撮影:根岸智幸》 電動アシスト自転車『TROOPER-01』《撮影:根岸智幸》 電動アシスト自転車『HUNTER』《撮影:根岸智幸》 3輪電動バイク『Shadow』(発売未定)《撮影:根岸智幸》 3輪電動モビリティ『Tiker』(発売未定)《撮影:根岸智幸》