トヨタ 2000GT《写真撮影  内田俊一》

9月30日から10月1日にかけて、34thマロニエランミーティング in 日光が開催された。主催はマロニエラン実行委員会。

マロニエランミーティング in 日光は1990年に初開催され2019年には30回を迎えた。翌2020年も例年通り4月に開催予定であったがコロナ禍により中止。そこから3年ほど休眠することになる。しかし、初回から欠席なく出場している参加者だけでなく、多くのファンから再開の声に後押しされるとともに、主催者もここで途絶えさせてはいけないという思いが重なり、今回はイレギュラーながらこのタイミングでの開催となった。

実は3年のブランクによって、このイベントの魅力である常連同士の輪に初参加の人たちが加わるという友好関係が見られなくなるのではないかと気になっていた。しかし、例年出場している参加者たちは「やあやあ久しぶりですね」と声を掛け合い、そこからは3年のブランクを感じさせない、あたかも昨日の会話の続きをするように人の輪が広がっていったのには驚かされた。また、そこには父親から受け継いだクルマで参加した若手などもその輪に加わり、そこからは例年と変わらないマロニエランミーティング in 日光ならではの光景が広がっていった。

秋の開催とはなったが、内容は変わらず初日の朝は霧降アイスアリーナ(栃木県日光市)に集合した後、ジムカーナを行い、終了後は途中チェックポイントを通過しながら宿泊地となる中禅寺金谷ホテルまでのツーリング。その夜はちょっとおしゃれをしてウェルカムディナーを楽しみ、翌日の午前中はコンクール・デレガンスとその表彰式でお昼には解散というもの。

今年は残念ながら両日とも雨に見舞われてしまったが、その雨にも負けず、そして霧降高原の霧にも負けず全車ゴール。1932年式のMG『J2ミジェット』も途中のいろは坂でオーバーヒート気味になったものの、クールダウンさせた後はしっかりと登り切り無事にゴールしていた。

コンクール・デレガンスでは遠来賞(前述のMG J2ミジェット)や新車からずっと所有しているフェラーリ『モンディアル3.2』、雨のためエントリーとは別のクルマだったが、そのクルマも近年では珍しいと評価された日産『レパード』。そして、同じようにトラブルで乗り換えたクルマが、よく残っていたと印象的だったマツダ『グランドファミリア』、父親から受け継いだメルセデス『190SL』や、そのほかシトロエン『SM』やレンジローバーなどが受賞。そしてマロニエランミーティング in 日光らしい表彰理由といえるのだが、「こういったイベントに参加するとナビゲーターが非常に重要になる。おそらく喧嘩もせずにゴールにたどり着くことは、隣に乗る女性にとっては修行だ」と審査員がその理由をコメントし、ご夫婦で参加したトヨタ『2000GT』のオーナーご夫婦にホテルの食事券が贈られた。

3年のブランクを感じさせないマロニエランミーティング in 日光はこうして幕を閉じた。終わってみて振り返るとそのほとんどがこれまでと何も変わらない心地の良いものだった。多くのイベントは毎回趣向を変えていかに参加者に楽しんでもらうかに主眼を置いて開催しているが、マロニエランミーティング in 日光は、主催者がイベントに対してはアマチュアであることから無理はせず、毎回同じように開催することで熟成させていっているように思う。変わらないというのは勇気がいることだ。しかし、マロニエランミーティング in 日光はこのまま変わらないで、いつまでも続いていってほしい。それこそが参加者皆が願っていることだから。

次回は例年通り2024年4月に開催が予定されている。

マロニエランミーティングin日光2023《写真撮影  内田千鶴子》 シトロエン SM《写真撮影  内田俊一》 オースティン ミニスーパー1275Mk-1《写真撮影  内田俊一》 フェラーリ モンディアル3.2《写真撮影  内田俊一》 ローバー ミニ《写真撮影  内田俊一》 MG J2ミジェット《写真撮影  内田俊一》 マツダ グランドファミリア《写真撮影  内田俊一》 MG B《写真撮影  内田俊一》 フェラーリ モンディアル3.2《写真撮影  内田俊一》 日産 レパード《写真撮影  内田俊一》 ポルシェ 356Cクーペ《写真撮影  内田千鶴子》 メルセデスベンツ 190SL《写真撮影  内田千鶴子》