EVボトルカー(茶殻配合軽量パネル搭載型)《写真提供 伊藤園》

伊藤園は、小型電気トラックいすゞ『エルフEV』をベースとした業界初の「EVボトルカー(茶殻配合軽量パネル搭載型)」を2023年10月より順次導入すると発表した。

伊藤園では気候変動への対応として、2050年度までにカーボンニュートラルとする中長期環境目標を策定。この中で「全車両中の電動車使用比率を2030年度に50%とする」をKPI(重要業績評価指標)として定め、積極的に電動車の導入を推進している。一方で、飲料を積載するボトルカーに関しては、これまで充電施設や走行距離が電動化の課題となっていた。

今回導入するボトルカーは、いすゞの小型EVトラック、エルフEVを採用。飲料製品などを積載する架装(荷室)のスライドドアやバックドアには茶殻をアップサイクルした「茶殻配合軽量パネル」を使用し、電費向上も図っている。併せて、空容器積載スペースを架装内に設置し、屋根昇降や高所作業をなくすことで社員の業務負荷軽減と働きやすさを向上させている。EVボトルカー(茶殻配合軽量パネル搭載型)は2023年10月に第1号車両を、再生可能エネルギー比率100%の電力メニュー「CO2フリープラン」の営業拠点に導入し、2023年度内に東京地区の営業拠点に30台順次展開する計画だ。

同社は地域密着型営業のビジネスモデルを採用しており、約3350台の車両(ボトルカーを含む)を使用している。これまでエコドライブの徹底やルート効率の向上に努めてきたが、今後は、CO2排出量削減とともに、社員の働き方を見直す施策として積極的にEVボトルカーの導入を進めていく。

茶殻リサイクルシステム《画像提供 伊藤園》 茶殻配合軽量パネル《写真提供 伊藤園》 110kgの軽量化に成功したモデル車両。架台のドアパネル、床材に「茶殻配合軽量パネル」を使用(2022年)《写真提供 伊藤園》