メルセデスベンツのインフォテインメントシステム「MBUX」《photo by Mercedes-Benz》

メルセデスベンツ(Mercedes-Benz)は6月15日、インフォテインメントシステム「MBUX」を搭載した90万台以上の米国向け車両を対象に、人工知能チャットボット「ChatGPT」の試験運用を開始すると発表した。

メルセデスベンツは、「ハイ、メルセデス」と呼びかけて起動する音声アシスタントを、ChatGPTと組み合わせる。これにより、音声アシストを、さらに直感的なものにすることを狙う。

メルセデスのベンツの音声アシスタントは、直感的な操作と豊富なコマンドコンテンツを備える。ドライバーと同乗者は、スポーツや天気の最新情報を受け取ったり、周囲の環境に関する質問に答えたり、スマートホームを操作したりすることができる。

ChatGPTは、音声コントロールを補完するものだ。多くの音声アシスタントは、あらかじめ決められたタスクや応答に限定されている。しかし、ChatGPTは大規模な言語モデルを活用することで、自然言語の理解力を大幅に向上させ、応答可能なトピックも拡大させるという。

メルセデスベンツは、MBUXの音声アシスタントの検証済みデータとChatGPTの自然な対話形式を強化することで、両者の長所を融合させた。自然な音声コマンドを受け付けるだけでなく、会話も可能な音声アシスタントを利用することができる。音声アシスタントに目的地の詳細を尋ねたり、新しい夕食のレシピを提案したり、複雑な質問に答えたりすることが可能。ステアリングホイールから手を離さず、前方に目を向けたまま、より包括的な答えを受け取ることができるようになる、としている。

「Mercedes me」アプリにダウンロードできる「ChatGPT」のプログラム《photo by Mercedes-Benz》