イメージ《写真撮影 高木啓》

日立製作所の子会社で自動車部品メーカーの日立アステモが、ブリス・コッホ最高経営責任者(CEO)が退任し、後任としてホンダの取締役で2022年4月から3月末までの1年間副社長を務めた竹内弘平氏が7月1日付で就任する人事を発表した。コッホ氏は、日立の子会社で英国に本社を置く日立ヨーロッパの会長に就くという。

きょうの読売や日経などが取り上げているが、日立アステモといえば、約40年間に及んで、ブレーキやサスペンションなど22種類の部品約2億点で検査の不実施やデータ改ざんなどの不正行為が判明したと発表したばかり。だが、同社は、コッホ氏の退任と直接の関係はないとした上で「新たなCEOが再発防止をリードする」と説明しているそうだ。

日立アステモは2021年1月に日立の完全子会社である日立オートモーティブシステムズとホンダ傘下のケーヒン、ショーワ、日信工業の4社が経営統合して発足。現在、日立が66.6%、ホンダが33.4%を出資しているが、ホンダ出身のCEOが就任するのに伴い、9月には日立が出資比率を引き下げ、日立とホンダがそれぞれ40%とするほか、同時に産業革新投資機構(JIC)傘下のファンドも2割出資し、新規株式公開(IPO)を目指すという。

一連の自動車部品の生産に関連した不正行為は、旧ホンダ系3社の生産拠点でも多く発覚しており、それらの再発防止策の徹底とともに、自動車業界の電気自動車(EV)シフトが進むなか、経営の主導権をホンダに移す狙いもあるようだ。

2023年6月2日付

●トヨタ、米でEV生産25年から、巻き返し図る、電池工場にも投資(読売・8面)

●日立アステモ社長に竹内氏、ホンダ前副社長(読売・8面)

●近ツー捜索、詐欺の疑い、大阪府警、ワクチン業務過大請求(朝日・25面)

●就活解禁内定7割、売り手市場で早期化加速(産経・3面)

●中国に負ける!? 欧州EV(産経・8面)

●インドEV市場外資動く、現代自が3400億円投資(日経・10面)

●国内新車販売、5月25%増(日経・13面)

●USJ入場初の1万円台、混雑の8月中旬、TDR超え(日経・15面)

ホンダの竹内前副社長《写真提供 ホンダ》