BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長(右)とSBI損害保険の五十嵐正明社長《写真撮影 山田清志》

BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は4月25日、SBI損害保険とのBYD向け専用自動車保険に関する記者説明会で、1月31日に発売した『ATTO 3』について、「販売店の数が数か所ということを考えると、305台の受注はまあまあの滑り出しだ」と述べた。

今やバッテリーEV(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売で世界一のメーカーとなった中国のBYD。そのBYDは鳴り物入りで日本に参入し、今年1月末から『ATTO 3』の販売を開始した。現在、多くの顧客から問い合わせが舞い込んでいるという。

「ATTO 3は、日本で一番人気のある小型SUVのど真ん中のサイズ感で、出力は150kW、最大トルクは310Nm、およそ204馬力に相当するパワートレインで、非常に快適、スムーズに力強く走ってくれる。バッテリーは58.56kWhと比較的大きな容量で、満充電で走れる距離がWLTCモートで470km走れるというロングレンジを確保している」と東福寺社長はアピールし、グローバルで約30万台を1年間余りで販売しているとのことだ。

BYDはこのATTO 3に続いてコンパクトモデルのBEV『ドルフィン』を2023年中頃に、セダンモデルのBEV『シール』を2023年下半期に日本で販売する予定だ。販売店についても、2025年末までに100点を超える店舗を開設し、全国をカバーすることを目論んでいる。東福寺社長によると、70か所ぐらいは目処がついているそうだ。

そうした中、今回、SBI損保とBYD向け専用自動車保険「BYD e自動車保険」の説明会を行ったわけだ。BYDの正規ディーラーでは東京海上日動火災保険、損害保険ジャパンの自動車保険を用意しているが、ユーザーがインターネットを通じて直接保険会社と契約・更新などの手続きを行えるダイレクト型保険としてSBI損保の自動車保険もクルマの販売と同時に用意した。

BYD e自動車保険は、対人賠償責任保険、対物賠償責任保険、人身傷害保険、車両保険と行った基本補償に加え、オリジナルの「BYD eプレミアムセレクト」も用意。タイヤやホイール、バンパー、ドアミラー、ガラスの6部位への損害補償が無償で付帯する。ただし、正規ディーラーへの入庫・修理が条件で、保険期間中は1回、1か所のみとなっている。

SBI損保の五十嵐正明社長によると、その主な特長は次の通りだ。まずSBI損保ならではのリーズナブルな保険料設定。ATTO 3の一時払い保険料は、40歳/20等級、事故有係数0年/ゴールド免許で2万7650円、26歳/6S等級/ゴールド免許で9万5550円となっている。

次にBYD e自動車保険専用カスタマイズ。ロードサービスを契約初年度から業界最高レベルにアップグレード、外出先で電欠の際もレッカーで最寄りの充電スポットへ搬送してくれる。レッカー距離無制限、レンタカー48時間上限、搭乗者宿泊費用2泊までを謳っている。また、車両保険特約付帯で住宅街壁設置充電器や充電アダプター等の損害もカバーする。

そして3つ目が販売ディーラーの保険販売DXを加速するオンライン契約完結モデル。販売ディーラーでは、お客に専用パンフレットで商品案内のうえ、専用Webサイトへ誘導するだけとシンプルで、保険業務負荷を軽減し、保険販売現場のDXに貢献できるという。

「BYDの保険に加入したお客さまには基本補償に加えて、オリジナルの補償がつくというお得な保険を用意させていただいた。ネット保険もディーラーで選べるという、お客さまに選択肢を提供できる環境を用意してくれたSBI損保には感謝したい」と東福寺社長は話していた。

BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長《写真撮影 山田清志》 SBI損害保険の五十嵐正明社長《写真撮影 山田清志》 BYDの『ATTO3』《写真撮影 山田清志》