ブガッティ W16 ミストラル《photo by Bugatti》

ブガッティは1月26日、新型ロードスター『W16ミストラル』(Bugatti W16 Mistral)の世界ツアーが東京に到着した、と発表した。東京の神田明神、河口湖の富士山、箱根の強羅花壇を背景にしたW16ミストラルの写真が公開されている。

ブガッティはW16ミストラルの世界ツアーを、2022年夏の北米を皮切りに、ヨーロッパ、中東で行ってきた。今回、アジア最初の都市として、東京に到着。世界ツアーの次の目的地は、シンガポールだ。

◆間もなく生産を終えるW16気筒エンジン搭載で最高速は420km/hに
車名の「W16」とは、2005年に『ヴェイロン』に初搭載され、その後、『シロン』などに受け継がれてきたW16気筒エンジンを意味している。このW16気筒エンジンが、間もなく生産を終える。W16ミストラルは 99台のみが生産され、価格は500万ユーロ(約7億円)。2024年から納車が開始される予定だが、99台はすでに完売している。

W16ミストラルの8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンは、シロンの最強グレード、「スーパースポーツ300+」譲りだ。ターボチャージャー、オイルポンプ、バルブトレイン付きのピストンなどにチューニングが施されており、最大出力は1600ps、最大トルクは163kgmを引き出し、最高速420km/hの性能を可能にしている。

ブガッティがこれまで送り出してきたロードスターの中で、最後のモデルとなっていたのが、『ヴェイロン16.4グランスポーツ・ヴィテッセ』だ。最大出力1200psを発生する8.0リットルW16気筒+4ターボエンジンを積む同車が2013年、408.84km/hというオープンカーの世界最高速記録を打ち立てた。W16ミストラルは再び、世界最速のロードスターになることを目標に掲げている。

◆専用デザインのグリルやヘッドランプ
W16ミストラルには、V字型フロントガラスを採用した。Aピラーを包み込むように見える湾曲したフロントガラスは、サイドウィンドウにシームレスにつながり、バイザー効果を生み出すという。このフロントガラスは、ドライバーの視界を遮ることなく湾曲しており、丸みを帯びたバイザーデザインを実現している。

W16気筒エンジンに充分な空気を取り込むために、サイドのオイルクーラーインテークは、乗員のすぐ後ろのルーフ上のエンジンエアンテークから離れてレイアウトされた。ルーフと一体設計の2つの大型エアインテークは、毎分およそ7万リットルの空気をエンジンに送り込む。また、このエアインテークのデザインは、『タイプ 57 ロードスター・グランドレイド』と、『ヴェイロン 16.4 グランスポーツ』に敬意を表しているという。

専用設計のヘッドライトは垂直に配置され、ブガッティの馬蹄形グリルはより立体的にデザインされた。テールランプは、ハイパーカーの『ボリード』のX字のリアデザインをモチーフにしている。

◆万一の横転時を想定した安全装備
ヘッドレスト後方のエアインテークは、万一の横転時、車両の全重量を支えることができる強固なカーボンファイバー構造とした。この新しいインテーク配置により、スロットルオン時の低くてパワフルなインテークノイズと、スロットルリフト時の4つのターボチャージャーからのブローオフバルブ音が強調されるという。

インテリアには、軽量なチタン、ソリッドブロックから削り出されたアルミ、柔らかいレザーなどを使用した。ドアパネルには、複雑な織りパターンのレザーをあしらう。

また、アルミから機械加工されたシフトレバーの中には、創業者の弟、レンブラント・ブガッティの彫刻作品「Dancing Elephant(踊る象)」が配されている。

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