旅行イメージ《写真提供 写真AC》

Googleは11月24日、「最新の旅行行動と意識の変化に関する説明会」を行い、コロナ禍の影響を受けた過去1年と今後1年の旅行傾向の変化などについて発表。国内旅行は12.6兆円、海外旅行は11兆円規模まで回復する見込みであることなどを示した。

調査では有識者に対する旅行のマクロトレンドのインタビューと生活者に対する具体的な事例のインタビューを実施。それをもとに、全国の18〜75歳の男女を対象に定量調査を行った。

◆1年以内に国内旅行をしたい人は「76.9%」
調査結果によると、過去1年に国内旅行を経験した人が49.2%なのに対し、今後1年で国内旅行をしたいという人は76.9%まで増加。海外旅行については3.1%から32.0%へと10倍以上に増加。アフターコロナ、ウィズコロナ時代への期待が表れる結果となった。

また、予算の平均は国内旅行が5.1万円、海外旅行16.2 万円で、旅行頻度のデータと掛け合わせると国内旅行は12.6兆円、海外旅行は11兆円規模となる見込みだ。

◆国内旅行は「1人旅」または「友人と」、海外旅行は「家族で」または「パートナーと」
旅行に誰と出掛けたいか、という問いでは、国内と海外で結果に差が出た。国内旅行に関しては、「1人旅」と「知人・友人」が急伸し、海外旅行では「家族」と「パートナー」が大きくスコアを伸ばした。

国内旅行が「1人旅」と「知人・友人」の項目が増えたことについて、同社では、コロナ禍における行動や意識の調査データとクロス集計した結果をもとに、「1人旅」はコロナ禍による1人時間の増加をポジティブに捉えた人たちにより、1人旅の良さが見直された結果と分析。

一方で、「知人・友人」を選んだ人は、1人時間の増加を感じながらも、知人・友人と交流する時間が減った、と感じた人に多く、”失われた友人との時間”を取り戻したい、という強い意識が見られた。

◆飛行機や電車の抵抗感は解消?! 遠距離の旅行が回復
過去一年の旅行先を見ると、関東、近畿、中部という大都市圏が多く、「近場」で旅行を楽しんだことが分かる。反面、行きたい旅行先では、北海道や九州、沖縄が上位に。インターネットでの検索数もコロナ前と同等程度に回復している。

海外旅行は、過去1年に経験した人はごく少数で、突出した人気の国や地域はなかったが、今年1年については、グアムやサイパン、ハワイのほか、ヨーロッパも上位に食い込んだ。

これらの結果から、飛行機や電車などへの抵抗感が薄まってきていることが見て取れる。

◆旅行のアイデアはストック、直感的な画像を重要視
旅行について下調べを行う際には、内容の詳細を説明した文章と直感的に見らる画像は、どの世代も大多数が両方を必要としている中、画像をより重視していることも分かった。

旅行についての情報源については、「ネット検索」「テレビ(地上波)」「旅行業者」の順となったが、18〜24歳、25〜33歳では、「SNS」「オンラインマップ」「YouTube」が上位となった。

このほか、1人旅では、「ネット検索」「YouTube」「オンラインマップ」といった現地をイメージしやすいものの活用が目立つ一方、知人や友人との旅では、「家族や知人・友人からの口コミ」「SNS」といった共有しやすい情報源の利用が中心となる傾向が見られた。

収集した旅行情報については、直近で出かけるための下調べ、だけでなく、アイデアとしてストックしておくという回答結果も多数。コロナの蔓延状況や旅行先の対応を見極めて、旅行を計画したい、という人が一定数いることを窺わせた。

◆体験型アクティビティの人気が再燃
旅行先で楽しみたいことに関する調査では、「温泉」「食べ歩き」「遊園地・テーマパーク」がトップ3となった。1つひとつの項目としては少数派ではあるものの、「陶芸」「カヌー」「坐禅」「気球」「ガラス細工」「キャンプ」などを「体験型アクティビティ」としてひとまとめにしてみると、上位に。

コロナ前にも起きていた体験型アクティビティブームは、感染拡大防止で人との接触が難しくなり、下火になっていたが、コロナが落ち着き始め、再燃の兆しを見せている。

旅行イメージ《写真提供 写真AC》