「カーオーディオ・プロショップ」により製作されたオーディオカーの一例(製作ショップ:モービルサウンドテクノロジー<東京都>)。Photo by 太田祥三

クルマの中で良い音を楽しみたいと思ったときには、「カーオーディオ・プロショップ」の力を借りよう。当特集ではそうである理由から、この活用法までをガイドしている。今回は彼らの持つ「カスタムスキル」について説明する。

◆カーオーディオ機器の取り付けでは“改造”が必要になることが多い!?

さて、これまで説明してきたように、カーオーディオ製品は「ただ付ければ良い」というものではない。取り付けるユニットがオーディオ機器としての性能を十分に発揮できるように、音響的な観点から工夫を盛り込む必要がある。つまりは、オーディオ的な知識と技術が不可欠だ。

で、それを実践するにあたっては同時に「カスタムスキル」も必要となる。電気のことや音響機器の操作や設置についての知識があっても、カーオーディオ機器の取り付け作業は完了できない。インテリアを“改造”する必要に迫られることも多々あるからだ。

例えば、メインユニットを交換する際にも以下のような作業が必要となることがある。単純に、付いてるものを取り外しそこに新しいものをはめ込んで作業が終わる場合もあるが、7型のモニターしか取り付けられないクルマに8型モデルを付けたいと考えるドライバーもいる。「カーオーディオ・プロショップ」はそのようなオーダーにも対応可能だ。その場合には純正のセンタークラスターパネルを“改造”して、8型モニターが入るようにしてくれる。「カーオーディオ・プロショップ」と名乗っているお店なら普通に、このようなことを行える。

◆スピーカーの取り付け作業では、「木工加工」が必要になることが多い…。

では、「カスタムスキル」の内容をさらに詳しく説明していこう。まず「カーオーディオ・プロショップ」は「木工スキル」を持っている。カーオーディオユニットの取り付けには、当スキルが必要となることが結構多い。

例えば、スピーカーを取り付ける際には土台となるパーツである「インナーバッフル」が必要となるが、プロはこれをワンオフすることが多い。取り付けるクルマに対して、そして使用するスピーカーに対してジャストな「インナーバッフル」を用意したいからだ。で「カーオーディオ・プロショップ」はこれを木材やアクリル等を無垢の板から切り出して作り上げる。

またはツイーターを取り付ける際にも、以下のような加工がされることがよくある。ツイーターは、音のことを考えるのであればAピラーやドアミラー裏に埋め込んだ方が良い。そうした方がより強固に固定でき、向きも自在に設定できる。なのでそのようなケースではまず、ツイーターを取り付ける部分のパネルをカットして、そこにツイーターの土台となるパーツをはめ込みパネルと一体化させた後、ツイーターを取り付ける。この土台となるパーツを、「カーオーディオ・プロショップ」は木材を切り出してワンオフするのだ。

◆専門工具も駆使して「木工加工」を素速く確実に実行!

なお、「木工加工」を素速くそして確実に行うためには高価な専門工具も必要となる。ちなみに上級ハンドメイダーともなるとある程度の専門工具を活用している。「木工加工」に使用する工具としては、例えば「ジグソー」と呼ばれる電動ノコギリがあると、木材を真っ直ぐに切断できたり好きな形に切り出せる。また、「トリマー」と呼ばれる電動工具があると型を使ってそれと同じ形状のものを作れて、木材の角を落とす作業(面取り作業)も行える。

で、「カーオーディオ・プロショップ」もこれらの工具を使いこなすが、さらに高度な専門工具を備えていることも多い。例えば「ピンルーター」と呼ばれる専門工具がある。これはハンドツールではなくテーブル状になっている据え置き型のツールで、「トリマー」で行えることをよりスピーディかつ正確に実行できる。というわけで「カーオーディオ・プロショップ」は、技術と道具、この2つを所持し、それらを駆使して「木工加工」を適切に実行していく。

プロの「カスタムスキル」はこれにとどまらない。次回は、その他のマニアックなスキルについても紹介していく。お楽しみに。

「カーオーディオ・プロショップ」により製作されたオーディオカーの一例(製作ショップ:モービルサウンドテクノロジー<東京都>)。Photo by 太田祥三 「カーオーディオ・プロショップ」により製作されたオーディオカーの一例(製作ショップ:モービルサウンドテクノロジー<東京都>)。Photo by 太田祥三 「カーオーディオ・プロショップ」により製作されたオーディオカーの一例(製作ショップ:モービルサウンドテクノロジー<東京都>)。Photo by 太田祥三