カーオーディオでは、サウンドチューニング機能が力を発揮する。なお、その機能を積んだメカのことは「プロセッサー」と呼ばれている。当連載では、その使い方を解説している。今回からは、高機能なモデルに搭載されている「イコライザー」について説明していく。
まずは、高機能な「イコライザー」とはどのようなものなのかを紹介しておこう。ちなみにこれまでは、ベーシックな「メインユニット」に内蔵されている「プロセッサー」に搭載されたライトな「イコライザー」について説明してきた。で、ライトな「イコライザー」では、操作できるバンド数が「5」とか「7」くらいしかない。
対して、高度な「単体プロセッサー」や「パワーアンプ内蔵プロセッサー」に搭載されている「イコライザー」は、chごとで「31バンド」という細かさで調整できるようになっている。例えばスピーカーがフロント3ウェイのとき、各スピーカーが担当する帯域をそれぞれ「31バンド」という細かさでチューニングできるのだ。つまり、片側だけでツイーター、スコーカー、ミッドウーファーという3つのスピーカーがあるので、計「左右独立93バンド」の「イコライザー」が搭載されていることとなる。
一方、AV一体型ナビ等の市販メインユニットに搭載されている「プロセッサー」では、例えばカロッツェリアの『サイバーナビ』や三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』のような音にこだわったモデルの場合、「左右独立31バンドイコライザー」が搭載されている。つまりこれらは右chと左chのそれぞれを個別に「31バンド」という細かさで設定できる(『サイバーナビ』ではさらにサブウーファーchも独立してコントロール可能)。
それに続いて各社の上位機種には、「13バンドタイプ」が搭載されている。例えばケンウッドの『彩速ナビ』の上級機や、パナソニック『ストラーダ』の上位モデル、さらにはカロッツェリアのスタンダードナビである『楽ナビ』等でこの「13バンドタイプ」が積まれている。で、一般的にはこの「13バンドタイプ」でも十分に高度な「イコライザー」と言って良い。
さて「31バンドタイプ」や「13バンドタイプ」では、各バンドがどのくらいの音程の間隔で並んでいるのかと言うと…。
人間の可聴帯域は20Hzから20kHzまでだが、その範囲は音程でいうと約10オクターブ分に相当する。ゆえに「31バンドタイプ」の「イコライザー」では、各バンドが概ね1/3オクターブ刻みで並んでいる。対して「13バンドタイプ」は、各バンドが概ね2/3オクターブ刻みで並んでいることとなる。このくらいであれば、「イコライザー」の本来の役割である「周波数特性の乱れを正す」という使い方もそこそここに実行可能だ。
今回は以上だ。次回からはいよいよ、この操作方法を説明していく。お楽しみに。
高機能な「イコライザー」のタイプ解説[プロセッサー活用術]
2022年11月20日(日) 14時00分
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