「サブウーファー」の音をトランクスルーを経由して車室内に届けているオーディオカーの一例(製作ショップ:アミューズ<広島県>)。Photo by 太田祥三

サウンドユニットのインストレーションにおけるセオリーや注意事項を説明しながら、カーオーディオならではの面白さや奥深さを明らかにしようとしている当連載。現在は、「サブウーファー」のセッティング法について説明している。

今回は、セダンにおいての「サブウーファーボックス」の搭載方法を考察する。

さてセダンでも、よりお手軽に「低音強化」を図ろうと思ったときには、「小型・薄型のパワードサブウーファー」をシート下に設置すればOKだ。しかし、空気をしっかりと震わせられる大型の「サブウーファーボックス」を使いたいと考えるとき、それはどこに搭載すると良いのだろうか。

もっとも有力な設置場所はやはり、トランクだ。まれにセンターコンソールや後席の足元に置かれる場合もあるが、十分なスペースを確保しづらく、また乗車空間を削ってしまうのも得策ではない。

とはいえトランクに積む場合には、「サブウーファー」から放たれる超低音をどうやって車室内に届けるかが問題となる。なおこれについてはさまざまな考え方ややり方があるが、愛好家の間では「トランクスルー」が活用されるケースが非常に多い。

ちなみに超低音は障害物を回り込んで進もうとする性質が強いので、「サブウーファーボックス」とリスナーとの間にシート等の障害物があっても音を聴き取れる。しかし密閉されたセダンのトランクに積んだ場合には、超低音は十分には聴き取れなくなる。

でも「トランクスルー」を解放すれば、トランクルームと車室内が同一空間となるので超低音がリスナーの耳に届きやすくなる。さらに多くの場合は、トランクスルーの開口部のすぐ奥側に「サブウーファーボックス」が搭載される。そうすれば、振動板から放たれた超低音がダイレクトに車室内に入って来られる。

なお、「バスレフタイプ」の「サブウーファーボックス」が使われる場合には、「ポート」のみが「トランクスルー」の開口部に見えるように設置されることもある。こうすることで、主にポートにてチューニングされた音を車室内に届けられる。

ところでトランクスルーに振動板を見えるようにして設置する場合、そのボックスがトランク内の前方のウォール部分に埋め込まれる場合もある。そうすると、トランク内の積載スペースを確保しやすくなる。

そうしてさらに「サブウーファーボックス」の背面側の板にアクリルボードを使い、ボックス内を見えるようにして仕上げられることもある。ルックスを重視する場合には、このような作戦が取られることも少なくない。

今回は以上だ。次回は新章に突入する。乞うご期待。

「サブウーファー」の音をトランクスルーを経由して車室内に届けているオーディオカーの一例(製作ショップ:アミューズ<広島県>)。Photo by 太田祥三 「サブウーファー」の音をトランクスルーを経由して車室内に届けているオーディオカーの一例(製作ショップ:アミューズ<広島県>)。Photo by 太田祥三