パガーニ・ユートピア《photo by Pagani Automobili》

パガーニ・アウトモビリ(Pagani Automobili)は9月12日、新型スーパーカー『ユートピア』をワールドプレミアした。世界限定99台はすでに完売している。

◆V12エンジンを搭載しながら乾燥重量は1280kgに
ユートピアは、『ウアイラ』の後継モデルの位置づけ。ユートピアには、メルセデスAMG製がベースの6.0リットルV型12気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。最大出力は864hp/6000rpm、最大トルクは112.2kgm/2800〜5900rpmを引き出す。米国カリフォルニア州を含む、最も厳しい排ガス規制をクリアしているという。

トランスミッションは、エクストラック製の7速MT。ヘリカルギアを用いて、素早いシフトチェンジが可能なギアボックスを開発した。コンパクトで軽く、横置きのため重心が最適化されている。シンクロナイザーリングを備え、純粋なマニュアルトランスミッションとして、112.2kgmのトルクに対応するギアボックスを設計した。

ユートピアには、カーボンファイバーなどの軽量素材を採用した。この結果、V12エンジンを搭載しながら、乾燥重量は1280kgに抑えられている。

◆シンプルさを追求したデザイン
ユートピアのデザインは、シンプルさが追求されている。空力面での追加パーツがほとんどないにもかかわらず、これまで以上に効率的という。ユートピアはこれらの付属物の機能を全体の形状に組み込んでおり、デザインのみによってより大きなダウンフォースと空気抵抗の低減を実現している、と自負する。

スタイリングのディテールは、スクーター「Vespa(ベスパ)」のヘッドランプやスピードボート「Riva(リーヴァ)」の部品など、1950年代のものに着想を得ている。鍛造ホイールには、タービン状のカーボンファイバーのエクストラクターが装着され、ブレーキからの熱気を逃がし、車体下部の乱気流を低減する。カーボンセラミック製ディスクに装着されるブレーキキャリパーは、軽量化された新デザインだ。

ピレリ製のタイヤは、強大なトルクを効率よく路面に伝える。フロント21インチ、リア22インチという大径ホイールを組み合わせた。サイドウォールには、ユートピアのシルエットが刻まれている。

宙に浮いているようなサイドミラーは、エアフォイル形状によりボディから離された。テールライトはリアウィングの横に配置される。チタン製のクワッドエキゾーストは、熱を効率よく逃がすためにセラミックコーティングを施しながらも、システム全体で重量を6kgに抑えている。

◆すべての計器は純粋なアナログ仕様
インテリアは、ドライバーの前にある最小限のディスプレイ以外、スクリーンを廃した。すべての計器は純粋なアナログとしている。ステアリングホイールも スポークや中空構造のリムからステアリングコラム、ボスまで、すべてアルミの無垢材で作られた。ペダルも金属のブロックから製作。シフトレバーの構造もむき出しのままとした。

アクティブエアロダイナミクスは、電子制御ショックアブソーバーと相まって、あらゆる走行条件下で最適な動的挙動を確保しているという。アルミ合金製のダブルウィッシュボーン式サスペンションは、サーキット走行モデルの「R」の長期にわたる開発成果から生まれ、Rの開発で培われた技術が生かされている。

歴代モデルに採用されてきたカーボン製モノコックは、繊維の織り方を改良し、カーボチタンやカーボトライアックスなどの新しい複合材料を選択した。さらに、新しいタイプの Aクラスのカーボンファイバーは、同じ繊維密度で38%強度を向上させているという。

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