フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》

フォルクスワーゲンは9月9日、オフロードEVコンセプトの『ID.エクストリーム』(Volkswagen ID. XTREME)を欧州で発表した。新世代電動SUVの『ID.4』をベースに、オフローダーを提案している。

◆新世代EV向け車台の「MEB」の可能性を示すのが狙い
このコンセプトカーは、フォルクスワーゲンの開発部門のアンドレアス・レッケヴェル(「MEB」責任者)が率いるチームによって製作された。「モジュラー・エレクトリック・ドライブ・マトリックス(MEB)」は、大きな技術的可能性を備えているという。ID.エクストリームは、MEBの柔軟性や汎用性を示すのが狙いだ。

「MQB」での経験に基づいて、フォルクスワーゲングループは、新世代EVの「ID.」ファミリー向けに、MEBを開発した。MQBと同様、MEBは、大量生産を行うグループブランドに搭載できる汎用性を持つ。MEBの基本的な技術レイアウトは、電気駆動コンポーネントを最小限のスペースに収容するという原則に基づいている。高電圧バッテリーは前後のアクスル間に配置され、パッセンジャーコンパートメントに、広いスペースを実現する。MEBは、シティカーからミニバンの『ID. Buzz』まで、グローバル市場向けの幅広いモデルラインナップをカバーしている。

フォルクスワーゲングループはMEBにより、あらゆる人々に適したeモビリティを実現し、2025年までにすべての車両セグメントにEVを用意する予定だ。また、次世代のEV用に開発された「SSP(スケーラブル・システムズ・プラットフォーム)」により、完全にデジタル化され、高度にスケーラブルなメカトロニクスプラットフォームを導入していく。このプラットフォームは、2026年以降、航続、充電速度、コネクテッドドライビング体験の点で、新たな基準を設定することを目指す。

◆バンパーガードやLED補助ライト付きのルーフキャリア
ID.エクストリームは、新世代電動SUVのID.4をベースに、オフロードでのアドベンチャーに向けて、専用のアイテムを装備した。フロントのバンパーガード、フェンダーエクステンション、18インチのオフロードタイヤ&ホイール、LED補助ライト付きのルーフキャリア、アルミ製アンダーボディガードなどを採用する。

EVパワートレインは、ID.4の高性能モデルの『ID.4 GTX』がベースだ。デュアルモーター4WDシステムのツインモーターは、ソフトウェアの変更などにより、最大出力が299hpから387hpへ、プラス88hp、率にして30%強化されている。

フォルクスワーゲンは、ID.エクストリームに対するファンの反応を探っていく。コミュニティからのフィードバックに基づいて、今後のプロジェクトの進め方を決定するという。

◆不要になったテスト車両と使用済みバッテリーを使用
フォルクスワーゲンのデザイン部門と共同で、ID.エクストリームコンセプト専用の走行サウンドを開発した。走行サウンドは、ホイールハウジング内のサウンドジェネレーターから発せられる。

インテリアには、多くの部分にアルカンターラが使われた。シートも新デザインで、アクセントカラーとしてオレンジをあしらう。

ID.エクストリームコンセプトの開発では、持続可能性が重視された。不要になったテスト車両と、使用済みの蓄電容量82kWhバッテリーが、ID.エクストリームコンセプトのベースとして採用されている。

フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.エクストリーム《photo by VW》