フォード F-150 ライトニング PRO SSV《photo by Ford》

フォードモーターは7月28日、EVのフォード『F-150ライトニング』(Ford F-150 Lightning)をベースにした米国警察向け車両「F-150ライトニングPRO SSV」を発表した。警察向けに設計された米国初の電動ピックアップトラックになるという。

◆追跡任務以外の特殊なニーズに対応
フォードは70年以上にわたり、警察署が地域社会の安全を維持するために必要な車両を開発してきた。現在、「フォードPRO」の顧客には、全米の1万2000以上の警察署が含まれており、パトカーではフォードPROの車両が、全米で最多の台数を占めているという。

F-150ライトニングPRO SSVは、事故や犯罪現場での警察官の支援や、ボートやトレーラーの牽引、追跡任務以外の特殊なニーズに対応するように設計されている。

ファブリック製のフロントシートは、拳銃を身に着けた警察官でも、車両にアクセスしやすいように設計。手入れが簡単なビニール製リアシートとビニール製フロアを採用する。前席シートバックには、スチール製の侵入防止プレートが取り付けられた。ルーフにはLEDフラッシュライトが付く。

◆ツインモーターは最大出力580hp
前後アクスルに搭載されるモーターは、上位モデルが最大出力580hp、最大トルク107.2kgmを引き出す。強力なツインモーターは4輪を駆動し、上位モデルの場合、0〜96km/h加速4秒以下の性能を可能にするという。

「メガパワートランク」は、フロントのエンジン搭載部分の空いたスペースを有効活用するアイデアだ。フロントのメガパワートランク内には、コンセントが装備されており、220アンペアの DC電源として利用できる。ロック機能も付く。

オプションで最大9.6kWの電力が利用できる「ProPower Onboard」を用意した。夜間の高速道路での事故現場を照らすモバイル電源として機能するという。車載バッテリーから電力が使用されると、予想航続を自動的に修正する。Pro Power Onboardがバッテリー残量を使い果たして、車両が充電ステーションに移動できなくなるのを防ぐために、自動的に、または事前の顧客の設定に基づいて、Pro Power Onboardのシャットダウンを行う。

◆12インチスクリーンを備えた「SYNC4」
センタースタックに12インチのデジタルクラスタースクリーン、または12インチのランドスケープスタイルのタッチスクリーンを備えた「SYNC4」を採用する。無線によって、ソフトウェアのアップデートを行う。

「インテリジェントレンジシステム」は、地形や天気、積載量や負荷、目的地までの距離を考慮して、移動するために必要なバッテリー容量を計算する。データはクラウドベースの「フォードパワーマイトリップ」機能やSYNC4と共有されるため、顧客は走行ルートを計画し、走行中のバッテリー残量をモニターできる。航続が少なくなった場合、システムは6万3000を超える米国最大の公共充電ネットワークから、最も近い充電ステーションを表示し、電欠で立ち往生しないようにする。

先進運転支援システム(ADAS)の「Ford Co-Pilot 360」テクノロジーを搭載した。クロストラフィックアラートを備えた自動ブレーキや、ブラインドスポット・インフォメーション・システム(BLIS)が含まれている。

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