ポルシェ・タイカン の2023年モデル《photo by Porsche》

ポルシェは7月20日、EVスポーツ『タイカン』(Porsche Taycan)の2023年モデルを欧州で発表した。ソフトウェアのアップデートを行い、性能を引き上げている。これらのアップデートは、タイカンの既存ユーザーも対象になるという。

◆インジケーターの改良でEVパワートレインの状態がより確認しやすく
AWDモデルのEVパワートレインでは、走行モードが「ノーマル」と「レンジ」で走行負荷が少ない場合、フロントの電気モーターを休止する。さらに、惰性走行や停止中は、前後アクスルの駆動トルクをゼロとする。電動フリーホイールは摩擦抵抗損失を減らし、車両の航続を延ばすという。

AWDインジケーターが、センターディスプレイにエネルギーフローインジケーターとして表示されるようになった。これにより、走行時のEVパワートレインの状態が、確認しやすくなるという。また、エネルギー回生も最適化された。たとえば、自動リカバリー設定は、ドライバーが走行プログラムを変更した場合でも、維持されるようになった。

バッテリーに関しては、低温時の急速充電性能を向上させた。電気部品からの廃熱は、低温時にバッテリーを最適な温度に保つために、従来よりも多く使用されている。

◆ポルシェコネクトや「PCM」に新機能や新スタート画面を採用
「ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)」と「ポルシェコネクト」には、新機能や新スタート画面を採用し、さらなる使いやすさを追求している。Apple 「CarPlay」に加えて、グーグルの「Android Auto」もPCMに組み込んだ。スマートフォンアプリを、PCMの画面や「Googleアシスタント」の音声コマンドで、操作できる。

音声アシスタントの「Voice Pilot」は、日常の言語での指示を理解する。ナビゲーションシステムは、迅速に計算し、関心のあるポイントのオンライン検索(POI)を使用し、その情報を分かりやすく表示する。センターディスプレイの左側に5つのメニューオプションが設けられ、アイコンを個別に配置できる。

先進運転支援システム(ADAS)は、さらに多くの状況でドライバーをサポートできるようになった。 例えば、「Park Assist」のセンサーは、従来よりも広い範囲で機能するようになった。利用可能な駐車スペースの検索性能も向上しており、従来よりも小さなスペースも検索して表示できるようにしている。

今回のアップデートでは、車両の購入後にさまざまな機能と機器のロックを解除するオプション(機能オンデマンド「FoD」)も含まれている。タイカン全モデルの無線(OTA)アップデート機能が強化されているという。

◆「ターボS」は最大出力761ps
タイカンの上位モデルは、非常に効率的な電気モーターを、フロントアクスルとリアアクスルに1基ずつ搭載し、4輪を駆動する。電気モーター、トランスミッション、パルス制御インバーターは、コンパクトなドライブモジュールに一体設計された。

リアアクスルには、2速トランスミッションを搭載する。1速は静止状態からの発進時に、鋭い加速を可能にする。ロングレシオの2速は、高い効率と同時に、高いエネルギー残量を追求する。2速は、高速走行時にも適用される。

最上位グレードの「ターボS」は、ローンチコントロールとの組み合わせで、最大761psのオーバーブースト出力を発生する。0〜100km/h加速2.8秒、最高速260km/hの性能を可能にしている。

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