NTNブースイメージ《写真提供 NTN》

NTNは、5月25日から27日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2022横浜」に出展、「EV・電動化への提案」をテーマに、小型・軽量、高速回転、低トルクな高機能商品を展示する。

EVの航続距離の伸長に向けて、ホイールを支えるハブベアリングやモータ用軸受には、省電費化のための低フリクション化や小型・軽量化が、モータのトルクをホイールに伝えるドライブシャフトにはトルク損失の低減が必要となる。また、モータ用軸受では、モータの高出力化に対応するための高速回転性能や、モータのハウジングの薄肉化に伴い発生しやすくなるクリープへの対応が求められている。

NTNブースでは、こうしたEV特有のニーズに対応する商品として、「低フリクションハブベアリングIII」やEV・HEV用高速深溝玉軸受、「クリープレス軸受」などの軸受商品に加え、高効率固定式等速ジョイント「CFJ」など、NTNの基盤商品と技術を紹介する。加えて、ハブベアリングにステアリング機構を付加した「Ra-sHUB」をはじめ、ブレーキの電動化に貢献する電動油圧ブレーキ用ボールねじ駆動モジュールや電動オイルポンプなど、高機能モジュール商品の展示も行う。

なお、5月25日から31日にかけて開催されるオンライン展示会「人とくるまのテクノロジー展 ONLINE STAGE 1」でも、出展商品を写真やパネルなどを用いて紹介する。

低フリクションハブベアリングIII
走行時の回転フリクションを従来品比で62%低減し、車両燃費を約0.53%改善する。配合成分と粘度を見直した新グリースを採用したほか、ラビリンス付きシール構造の適用と軸受内部の予圧の最適化により、軸受の性能を維持しながら従来品から大幅に回転フリクションを低減。また、低温環境下におけるフレッチング摩耗も抑制する。

EV・HEV用高速深溝玉軸受
保持器の材料を見直すことで強度を高めるとともに、主に保持器と転動体が直接触れるポケット部の形状を工夫することで遠心力による変形を最小化し、高速回転対応を実現。従来品と同一寸法のため、置き換えが可能で、グリースとオイルの両方の潤滑環境下で使用できる。

クリープレス軸受
軸受の外輪外径面の一部に逃げ部を設ける業界初の手法で、進行波型クリープの停止を実現した。モータやトランスミッションなどの小型・軽量化が進む中、軸受の軌道輪やハウジングは薄肉化する傾向にあり、装置の異音や振動、軸受の寿命低下などの原因となるクリープが発生しやすくなる。本商品は、独自に開発した逃げ部の加工によりハウジングとの接触を回避し、クリープを停止。追加部品が不要で、同一寸法の標準軸受からの置き換えも可能だ。

高効率固定式等速ジョイント「CFJ」
摩擦損失を低減するための独自設計により、従来品に対し低発熱でトルク損失率を50%低減。独自のスフェリカル・クロスグルーブ構造を採用することで、広範囲の作動角でも内部摩擦力を大幅に削減し、トルク損失率を低減する。

後輪用ステアリング機能付ハブベアリング「Ra-sHUBラスハブ」
左右各輪の転舵角度の個別補正が可能なステアリング補助機能付ハブベアリング「sHUB」を後輪用に改良したモジュール商品。車両の情報をもとにタイヤの転舵角度を左右別々に制御することで、車両のコーナリング性能や高速直進時の安定性の向上に寄与するほか、タイヤの走行抵抗を抑えることで、燃費改善にも貢献する。また、小型で後輪の懸架装置の種類を選ばず、従来のハブベアリングと同様にさまざまな車両への搭載が可能。あらゆる懸架装置の車両にて後輪転舵を実現する。

Ra-sHUB《写真提供 NTN》 EV・HEV用高速深溝玉軸受《写真提供 NTN》 クリープレス軸受《写真提供 NTN》 低フリクションハブベアリングIII《写真 NTN》