新開発の車載充電器・DC-DCコンバーター一体ユニット《写真提供 豊田自動織機》

豊田自動織機は、EV向けに車載充電器とDC-DCコンバーターを一体化させた小型・軽量の新ユニットを開発。トヨタ自動車が5月12日よりリース販売を開始する新型EV『bZ4X』に搭載される。

新ユニットは、トヨタがEV用に初採用したElectricity Supply Unit(ESU)にて、充電機能と電力変換機能を担う基幹ユニットとして搭載される。開発品はEVの走行に必要な2部品を一体化したことで、従来の別体での搭載と比較して23%の小型化と17%の軽量化を実現。車両への搭載性が高まったことにより、車内空間の自由度確保や、bZシリーズに初採用されたEV専用プラットフォームの低重心化に貢献している。

車載充電器は一般家庭に供給されている交流電圧を直流電圧に変換し、EVの高電圧バッテリーを充電するための機器。DC-DCコンバーターは直流電圧を機器に応じた電圧に変換する電源装置で、EVの高電圧バッテリー(355V)から12Vの低電圧に変換して、補機バッテリーや制御ECU、ナビゲーションシステム、ライトなどに電力を供給する。

豊田自動織機は1990年代から、ハイブリッド車をはじめとするトヨタの電動車向けに、車載充電器およびDC-DCコンバーターを開発・生産し、パワーエレクトロニクス技術を磨いてきた。今回、蓄積された技術と経験を新ユニットの開発に活用。専用の制御ICおよびパワーモジュールを開発するとともに、ユニットケース内に冷却水路を形成し、水路両面に車載充電器とDC-DCコンバーターを立体配置して放熱性を高めるなどして、大幅な小型・軽量化を図った。

トヨタ・bZ4X《写真提供 トヨタ自動車》 EVを支える「バッテリー」「e-Axle」「ESU」のシステム図《画像提供 豊田自動織機》