フィスカー・オーシャン(MWC 2022)《(Photo by Andrej Sokolow/picture alliance via Getty Images/ゲッティイメージズ》

フィスカーは2月28日、新型EVの『オーシャン』(Fisker Ocean)の欧州仕様車を、スペイン・バルセロナで開幕した「モバイルワールドコングレス(MWC)2022」で初公開した。スペインでのベース価格は、4万1900ユーロ(約530万円)と発表されている。

◆ツインモーターは最大出力550hp
オーシャンはフィスカー初の電動SUVだ。オーシャンには、新開発のプラットフォームとして、マグナが手がけた「FM29」プラットフォームを採用する。また、オーシャンは、欧州のマグナの工場に生産を委託する。マグナでは現在、グローバルブランドに代わって、複数の車両を受託生産している。

オーシャンには、シングルモーターの「スポーツ」や、ツインモーターの「ウルトラ」、「エクストリーム」、発売記念限定モデルの「ワン」などが設定される。エクストリームの欧州仕様車の航続は、WLTPサイクルで最大390マイル(約627km)に到達する見通しだ。

シングルモーターのスポーツの場合、最大出力は275hpを発生する。0〜96km/h加速は6.9秒だ。ツインモーターでAWDのウルトラは、最大出力が540hpで0〜96km/h加速は3.9秒。同じくツインモーターでAWDのエクストリームは、最大出力が550hpとなり、0〜96km/h加速を3.6秒で駆け抜ける。

◆17.1インチの回転式ディスプレイ
新開発のセンタースクリーンとUI(ユーザーインターフェイス)を採用する。ダッシュボードの中央には、17.1インチの回転式ディスプレイを配置した。通常走行時には「ポートレートコントロールモード」表示となり、停止時には「ランドスケープハリウッドモード」表示に変更できる。

このランドスケープハリウッドモードは、プレミアムオーディオのオプションと組み合わせて、前席と後席の乗員に没入型の視聴体験を提供するという。オーシャンは、無線アップデートによって、その機能を向上させることができる。

スポーツには、「アースドライブモード」と「ファンドライブモード」がある。ウルトラとエクストリームには、「ハイパーモード」が追加される。エクストリームとワンには、「オフロードモード」が用意される。パフォーマンスと安全性を強化するために、スマートトラクショントルクベクタリングシステムが搭載されている

◆廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用
インテリアには、カーペットにリサイクル素材を活用した。このカーペットには、廃棄された漁網から作られた再生ナイロンを使用している。また、インテリアの素材には、100%ポリカーボネートポリウレタンと100%強化レーヨンバッキングを採用した。さまざまなVOC(ホルムアルデヒドなど)の厳しい化学物質排出規制に適合している。

また、エコスエードも使用された。Tシャツなどのポリエステル繊維、ペットボトル、プラスチックなどをリサイクルした素材も用いられている。ポリエステルのリサイクルでは、従来のガソリンベースのポリエステル製造プロセスと比較して、エネルギー消費と大気へのCO2排出を80%削減することができるという。エコサステナビリティとして、汚染物質の排出とエネルギー消費のレベルは、オーシャンの生産サイクル全体を通じて保証されている。

オーシャンでは、ゴム廃棄物も再利用する。フィスカーは、タイヤの製造中に発生した廃棄ゴムを、埋め立てせずに利用する。リサイクルすることでエネルギーの量を大幅に節約でき、最終的に温室効果ガスの排出を削減できるという。

フィスカーは、オーシャンの生産を2022年11月、マグナの工場で開始する計画だ。米国と一部欧州市場では、年内に販売を開始することを目指す。欧州では、年間6万台の販売を見込んでいる。

フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》 フィスカー・オーシャン《photo by Fisker》