フライング・フェザー(ノスタルジック2デイズ2022)《写真撮影 嶽宮三郎》

横浜市のパシフィコ横浜で開催された「ノスタルジック2デイズ」。特別展示では軽自動車のはしりともいうべき、希少な『フライングフェザー』の姿があった。

自動車博物館の開設を目指し、一時は200台を超える車両を募集していた林克己氏のコレクションの一部。氏は集めるだけではなく、板金塗装や修理を自身の手でやってきたという、知る人ぞ知る凄腕のアマチュアレストアラーである。

フライングフェザー(F/F)は、かつてダットサンの車体架装を行っていた住江製作所(現・住江工業)で製作された軽自動車。戦前に日産とダットサンのデザイナー兼設計者であった富谷龍一氏によるもので、“最も経済的な車”を目指した。リアに置かれたエンジンは空冷350cc 90度V型2気筒で12.5馬力。フロントブレーキさえ省くという必要最小限の装備で車重は約400kgに抑えられた。

1951年から試作車が製作され、度重なる改良を経て1954年に発表。1955年に販売が開始されたが、あまりにも簡素すぎて市場から受け入れられず、メーカーも経営に余裕がなく、ほぼ1年で生産中止に。生産台数はわずか200台ほどで終わったという。

そのうちの2台も(!)見学できるのは貴重な体験だと、林氏に質問する来場者は引きも切らなかった。乗り心地は「遊園地の延長みたいなもん。ヨタヨタ走る」とか。シトロエン『2CV』を参考にしたといわれ、巻き取り式の幌や、真ん中から上方にはね上げるサイドウインドー、パイプ構造のシートなど、なるほどと思われる機構が随所に見られた。

「歳だからこれで最後。(展示会などには)もう出てこないよ」と、今年82歳の林氏。しかし前回もそうおっしゃられたような。またお元気で希少な車両と共にお会いしたいものである。

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