三菱自動車工業は1月31日、2022年3月期の第3四半期(4〜12月期)連結決算をオンラインで発表した。グローバルでの販売回復などにより、営業利益は559億円(前年同期は867億円の赤字)となった。通期予想は、第1、第2四半期発表時に続いて3度目の上方修正とした。
第3四半期累計のグローバル販売は、前年同期比21%増の68万7000台と大きく伸ばした。主力のASEAN地域が36%増の17万9000台となったほか、新型『アウトランダー』(ガソリン車)を昨年4月に投入した北米が55%増の11万6000台となり、販売のもち直しをけん引した。前年同期に苦戦した日本も14%増の4万9000台を確保した。
営業利益段階の損益変動は、販売台数増や価格の改善などによる増益影響が604億円にのぼった。また、前期に取り組んだ構造改革による固定費削減などの効果も184億円の増益に寄与した。さらに為替レートは1ドル111円で、前期比5円の円安となるなど大半の通貨が円安で推移したため、373億円の増益効果となった。
純利益は447億円(前年同期は2440億円の赤字)となり、この期では2年ぶりに黒字転換した。売上高は48.6%増の1兆4161億円と、販売の回復で大幅な増収を確保している。
22年3月期通期の業績予想では、日本に投入した『アウトランダーPHEV』など新モデルの好調を反映し、グローバル販売を前回見通しから1万8000台上方修正し、92万1000台(前期比15%増)に見直した。これに加えて円安効果などもあり、営業利益は従来比で100億円増額の700億円(前期は953億円の赤字)、純利益も100億円増額の500億円(同3123億円の赤字)に上方修正した。
オンライン会見で池谷光司副社長(CFO)は、第3半期決算について半導体の供給不足やコロナ禍の影響はあったものの「日本でのアウトランダーPHEVの受注が計画の3倍になるなど、当社の予想をはるかに上回る立ち上がりになった。インドネシアの新型エクスパンダーも好調」と述べ、内外の新モデルが業績回復をけん引していると評価した。
一方、期末に向けては「今後も半導体の供給不足や新型コロナの感染拡大、輸送コンテナ不足など厳しい環境が続くものと予想される。改革の手を緩めることなく次のステップへ着実に進んで行けるよう、また、あらゆる環境変化に対応できるよう事業体質の強化を加速していく」と強調した。
三菱自 池谷副社長「アウトランダーPHEVの受注好調」…通期営業利益を700億円と3度目の上方修正
2022年01月31日(月) 18時45分
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