フェラーリ・デイトナ SP3《photo by Ferrari》

フェラーリは1月27日、『デイトナSP3』(Ferrari Daytona SP3)がフランス・パリで開催された「第37回国際自動車フェスティバル」において、「世界で最も美しいスーパーカー2022」を受賞した、と発表した。

デイトナSP3は、2018年の『モンツァSP1』、『モンツァSP2』に続く限定車シリーズの「Icona」の最新モデルだ。デイトナSP3は、1960年代に活躍したスポーツプロトタイプに着想が求められた。1967年2月6日、フェラーリは1967年の国際スポーツカー選手権の初戦のデイトナ24時間レースにおいて、トップ3を独占した。1位に「330 P3/4」、2位に「330 P4」、3位に「412 P」がほぼ横一列に並び、チェッカーフラッグを受けたシーンは伝説となっている。

肉感的なフォルムとシャープなラインが交錯するデイトナSP3の車体は、エアロダイナミクスの重要性が急速に高まっていた頃の330 P4 や「350 Can-Am」、「512 S」などのレーシングカーのデザインに通じるものがあるという。着脱可能なハードトップを備える「タルガ」ボディという選択も、スポーツプロトタイプの世界に倣っている。

頂点が2つあるフロントフェンダーは、512 Sや「712 Can-Am」、「312 P」など、過去のフェラーリのスポーツプロトタイプを参考にしている。バタフライドアにはエアボックスが内蔵されており、サイドに搭載するラジエーターへと空気を導く。結果的に生まれた彫刻的フォルムによって、ドアに明確なショルダーができ、そこに配置されたエアインテークが、ウィンドスクリーンの垂直なカットと視覚的につながっている。

ドアの前端はフロントホイールアーチの後部を形成しており、ドアの特長的な表面は、フロントタイヤから出る気流の制御にも貢献する。この表面の処理も、デイトナSP3のデザインに部分的なインスピレーションを与えた512 Sなどのレーシングカーを想起させるという。サイドミラーの位置は、ドアの前方からフェンダーの頂点へ移動した。これも、1960年代のスポーツプロトタイプを思わせるものだ。この位置が選ばれたのは、視認性を高め、ドアインテークへの気流に及ぼす影響を減らすのが狙い。ミラーのカバーと支柱は、これに特化したCFD(数値流体力学)シミュレーションを行って、インテークへの流れを阻害しない形に整えられたという。

ミッドリアに搭載される排気量6496ccのV型12 気筒ガソリン自然吸気エンジンは、フェラーリ史上最強の最大出力840hp/9250rpm、最大トルク71kgm/7250rpmを獲得する。0〜100km/h加速2.85秒、0〜200km/h 加速7.4 秒、最高速340m/h以上の性能を可能にしている。

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