マセラティデイ2021《写真撮影  内田俊一》

マセラティ・クラブ・オブ・ジャパンは11月20日から21日にかけて、マセラティデイ2021を横浜みなとみらいベイエリアにて開催している。

本国マセラティ公認の同クラブは、毎年マセラティデイを様々な地域で開催しているが、2019年の大阪以降、コロナ禍により2020年は休止。今回は2年ぶりの開催となり、会場には50台近い新旧マセラティが集合した。

◆ビトゥルボ40周年記念
27回目となる今年の見どころについて会長の越湖信一氏に伺うと、「大きく3つのテーマがある」という。ひとつは『ビトゥルボ』生誕40周年だ。「このビトゥルボを起点に、『222』や『ギブリII』と進化しながら、『3200GT』や『グランスポーツ』に繋がっていく。つまりビトゥルボはいかにマセラティ史上、重要なクルマだったのか。それをおさらいしてみたい。このビトゥルボがなければいまのマセラティはない」とコメント。そこで最初のキャブレターモデルのビトゥルボEや、ワンオフモデルの『ギブリIIカンパーナスペチアーレ』などが並べられた。

また越湖会長は、キャブレタービトゥルボの魅力のひとつはエンジンルーム内のキャブレターのチャンバーにあるという。「インジェクションと違い、ウェーバーキャブレターをチャンバーの中に押し込み、アルミニウムのまさにオブジェのようなカバーをかぶせ、独特なシステムを使って加給圧をかけている」と述べる。これは。「画期的なアイデアではあるが、メンテナンスは大変。キャブの調整をしてこの蓋するとセッティングが変わってしまう。つまり蓋をしたらどうなるかなを想像しながらキャブのセッティングしなければいけない」とエピソードを披露。

◆ボーラ50周年記念
もうひとつは『ボーラ』の50周年だ。「『カウンタック』50周年と比べると、ボーラの50周年は、少々地味」と越湖会長。1971年にボーラはデビューしたが、「実際にデリバリーが潤沢に始まったのは1973年ぐらい。そして1975年にはオイルショックなどの問題でマセラティは資産凍結になりデ・トマソに引き継がれる。その後、デ・トマソは『パンテーラ』を売りたいことから、ボーラの生産を実質的に止めてしまう」と当時を説明。一方、同じ生誕50周年のカウンタックは、「20年間くらい作られており、それなりの台数もある。ボーラは2年しか作られず、およそ500台が生産されたに過ぎないので存在感が薄いのだ」という。

しかし、越湖会長はビトゥルボ同様、ボーラも非常に重要なモデルだという。「この年代に、これほど快適性などを考えた新しいスーパーカー像を作った非常に貴重なクルマだ。その後、このコンセプトが具体的に開花したは1989年のホンダ『NSX』まで待たなければいけない。その点でもボーラはマセラティの歴史の中では重要なクルマなのだ」と述べる。

そして最後は、会場近くで『MC20』のプレビューも開催。「昨年デビューし、近々デリバリーが始まるというMC20もみんなで楽しもうという3つ柱が今年のメインだ」とした。

初日の20日はパシフィコ横浜プラザ広場会場にて車両展示やオーナーズインタビューなどを行い、参加者たちは隣接のインターコンチネンタルホテルにてガラディナー。翌日はパレードランやコンクールデレガンスののち、MC20のプレビューに参加、そしてランチにて終了となる予定だ。

マセラティ ビトゥルボE(右)と222(左)《写真撮影  内田千鶴子》 マセラティ ビトゥルボE《写真撮影  内田俊一》 マセラティ ビトゥルボE《写真撮影  内田俊一》 マセラティ ビトゥルボE《写真撮影  内田俊一》 マセラティ ギブリIIカンパーナスペチアーレ《写真撮影  内田俊一》 マセラティ ボーラ《写真撮影  内田俊一》 マセラティ ボーラ《写真撮影  内田千鶴子》 マセラティ ミストラルクーペ(左)とスパイダー(右)《写真撮影  内田俊一》