東芝《Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images News/ゲッティイメージズ》

水揚げした新鮮なマグロの“解体ショー”ならば、見ていてもワクワクして楽しいイベントだが、経営危機で“死に体”寸前の名門企業の“解体ショー”では、切なくなって目を覆いたくもなる。

経営の立て直しが難航している東芝が、主要事業ごとに会社を3分割する案を検討しているという。きょうの日経が1面トップで「東芝、事業別に3分割、2年後メド、各社上場、総合電機に幕」との見出しで報じたほか、各紙も1面などで大きく取り上げている。

それによると、原子力や火力発電を手がけるインフラ事業、ハードディスクドライブ(HDD)を手がけるデバイス事業、それに半導体メモリー事業を完全に独立させる方針で、今週11月12日に公表する中期経営計画で方向性を示すという。

東芝グループは、原子力や火力などの発電関連、鉄道などの交通システム、半導体など、多岐にわたる事業を手がけているが、主要事業ごとに独立させることで、役割を明確化する狙いがある。分割した会社は、完全に別会社として独立した経営を想定、それぞれ3社が上場することも視野に入れており、2年後をめどに実現を目指すそうだ。

計画どおり実行に踏み切れれば、日本の大企業が会社を完全に分割し、上場する初の試みになる。だが、生き残るための苦渋の決断とはいえ、高度成長を支えてきた日本を代表する老舗の名門企業が解体され、総合電機メーカーとしての暖簾を下ろすのはいたたまれない気持にもなる。

2021年11月9日付

●東芝3分割案、主要各事業で上場 (読売・1面)

●過去最高益相次ぐ、中間決算、コロナ禍から需要回復東証1部の7割増益(読売・3面)

●SBG、純利益8割減。9月中間、投資先の株価下落(朝日・7面)

●リニア工事また崩落、長野・1人軽傷、トンネル爆破前 (朝日・22面)

●マスク氏テスラ株10%売却か、ツイッター賛成58%、税逃れ批判に一石(毎日・7面)

●マツダCX-5、改良版衝突吸収、来月発売 (毎日・7面)

●EV充電事業東京ガス参入 (毎日・7面)

●UDトラックス、1万7587台リコール(産経・22面)

●小田急線小児運賃一律50円、全国初来春から(東京・7面)

●九州新幹線で放火未遂疑い(東京・24面)

●いすゞ最終黒字711億円、4 〜9月、半期で最高(日経・15面)

●ヤマハ発が最高益、今期純利益2.7倍、高単価バイク好調(日経・17面)

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