ルノー キャプチャー 新型《写真撮影 中野英幸》

コンパクトなSUVである。全長4230×全幅1795×全高1590mm。短い全長に、1800mmを切る横幅。これだけで「合格!」と大声で言いたい。全高1590mmは立体駐車場には難があるという声もあるけれど、だからどうした、平地に置こう。FF(前輪駆動)オンリーなので、街乗りお洒落SUVであることは、言うまでもない。

運転席に座ると、背もたれが背中のラインにぴったりと寄り添う(長身やせ型)。腰からウエストにかけて、強すぎず弱すぎずぴたりとした圧があり上体が安定する。今回は2日で700kmあまり走りったけれど、上体が安定し、ハンドル操作が安定し、無駄なハンドル操作が減って精神的にも安定し、疲れが驚くほど少なかった。


確かに、全長4230mmと短いゆえに、高速走行中に凹凸があると、後ろが少し跳ねる感じは否めない。ただ、サスペンションがしっとりと安定しているので、ばたばた感はなく走りやすい。ハンドルは街中の速度だと軽くてゆるい感覚があるものの、高速になると手応え十分に重くなり、ぴたっと落ち着いてくる。サスペンションといいハンドルの味付けといい、欧州の高速道路で鍛えられた乗り心地。好感が持てる。

今回、試乗したグレードである「インテンス」には、車線逸脱防止支援と、車線逸脱警報がついていて、車線をはみ出しそうになると警告したりハンドルアシストをしてくれるのだが、この警報がかなり敏感で、ちょっとでも危険を感知するとすぐに教えてくる。もう少し信頼して温かく見守ってくれてもいいんじゃないかというタイミングでピッと警告してくるので、気を抜いていられない。家族や恋人が同乗しているときなど、なんて運転が下手な人なのかと思われてしまうので注意が必要である。


キャプチャーの場合、カーナビ装着は10%程度だそうで、ゆえに、装着されているインパネの画面はスマホのミラーリング機能を採用している。私の愛車もカーナビ未装着だが、正直なところスマホで十分だと思う。新しい道ができても、すぐにアップデートしてくれるし。ミラーリング機能があれば、ナビも音楽も操作が簡単で使いやすいし。ただ、Google先生はときどき、とんでもなく細い道を行けと指示してくることがある。そこだけは要注意だ。

使いやすいサイズと、安定した乗り心地。これ、年齢を問わず女性が乗っているとかなり似合うし、まわりの視線も違ってくると思う。男性はともかく(失礼)女性には、だんぜんお勧めである。



■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。最新刊は「世界でいちばん優しいロボット」(講談社)。

ルノー キャプチャー 新型《写真撮影 中野英幸》 ルノー キャプチャー 新型《写真撮影 中野英幸》 ルノー キャプチャー 新型《写真撮影 中野英幸》 ルノー キャプチャー 新型《写真撮影 中野英幸》 ルノー キャプチャー 新型《写真撮影 中野英幸》 ルノー キャプチャー 新型《写真撮影 中野英幸》 ルノー キャプチャー 新型《写真撮影 小林岳夫》