カワサキモータース事業方針説明会《写真提供 カワサキモータースジャパン》

カワサキモータースの伊藤浩社長は10月6日、二輪車のカーボンニュートラル(脱炭素)に向けて2035年までに先進国向け主要機種の電動化を完了させるとともに、水素を燃料としたエンジンの開発にも取り組んでいく方針を明らかにした。

伊藤社長は「川崎重工グループ並びにパートナー企業の複合技術を活用しカーボンニュートラルの実現を目指す。その際にバッテリーEVのみならず高効率エンジンとモーターの複合技術に水素から造るeフューエルやバイオ燃料を組み合わせることでカーボンニュートラルを図っていく」と述べた。

具体的な施策として伊藤社長は「カーボンニュートラルの実現に向けた施策。電動化を積極的に推進していく。モーターサイクルでは2035年までに先進国主要機種の電動化を完了させる。また2025年までには10機種以上のバッテリーEV、ハイブリッドEVを導入する」と表明。

このうちハイブリッドEVに関しては「エンジンのみ、モーターのみ、エンジンとモーターという3つのモードを持つことが特徴。高速道路ではエンジンのみで走行。エンジンが規制される市街地では電動のみで走行し、ワインディングロードではエンジンとモーターを組み合わせたパワフルなハイブリッドモードが楽しめる」と説明した。

さらに「電動化に加え水素エンジンの研究も進めていく。当社が得意とする大型モーターサイクルをバッテリーEVで実現するには重量がかさむことが大きな課題となる。水素エンジンでは重量面ではガソリンエンジンと大きく変わることはなく、大型モーターサイクルのカーボンニュートラルの実現には非常に有効な手段」との考えも示した。

その上で「『メグロ』や『Z900RS』などに代表される伝統を継承するモデルを今後も投入しつつ、一方ではカーボンニュートラルや先進安全領域で、時代を切り拓く革新的な技術を追求していく」と強調した。

カワサキモータースは10月1日付けで親会社の川崎重工業から二輪車やオフロード四輪車、汎用エンジンを手掛けるモーターサイクル&エンジン事業を継承した。

伊藤社長は「分社によって大きな経営の自由度を頂いた。消費者の志向や市場トレンドの変化が激しいB to Cの事業にふさわしいスピード感のある経営判断と意思決定が可能となった」と、今回の分社化の意義を改めて説明し、「経営判断と意思決定をすばやく実行に移せる柔軟かつアジャイルな組織体制の構築により、機動的な事業運営を実現し成長を加速させていく」と述べた。

カワサキモータースは二輪車の電動化と並行して、北米で展開しているオフロード四輪車の生産能力増強などを通じて、2021年度に4100億円を見込んでいる売上高を2030年度には1兆円に、営業利益率も6.1%から8%以上に引き上げる中期経営目標も合わせて公表した。

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