日本ミシュランタイヤは8月18日、全天候型タイヤ の新製品発表会をオンラインで開催し、ミシュラン『CROSSCLIMATE +』を進化させた新製品、ミシュラン『CROSS CLIMATE 2（ミシュラン クロスクライメート ツー）』を発表した。
発表会ではまず、同社代表取締役社長の須藤元氏が登壇し、2019年にはじめて販売を開始いたしミシュランクロスクライメートシリーズについて、「夏タイヤの性能と雪上性能が両立できるタイヤであれば、必ず消費者に受け入れられる、つまり高い安全性や利便性は必ずユーザーの利益に繋がると考え、販売することにしました。おかげさまで販売初年度から好評をいただき、毎年前年を大きく上回る実績を頂戴しています」と振り返った。
そして、現状の性能に満足せず、安全性はじめさらなる利便性の向上を目指して開発されたという新製品、CROSSCLIMATE 2を公開した。
「雪も走れる夏タイヤ」として2015年にヨーロッパで登場したCROSSCLIMATEは、2017年にCROSSCLIMATE +に進化。2019年には日本への導入がスタートし、全天候型タイヤに求められる諸性能を高い水準で満たしたことで、多くのユーザーから好評を得た。
そんな従来品から、さらに性能の向上が図られたCROSSCLIMATE 2は、新開発のコンパウンドや新デザインのトレッドパターンが採用されるなど、細部にわたって最新の技術を投入。相反する諸性能に、高い次元で対応可能なオールシーズンタイヤに進化を果たした。
なかでも、「雪を走れる」という部分を一番の付加価値と考えたとし、過去30年の日本の降雪量の推移を示したグラフを提示。降雪量や降雪頻度が徐々に減っていることを挙げ、365日中の350日以上は、晴れのドライ路面か雨のウェット路面であるという現在の日本の気候の中で、限られた数日のみ雪が降るという状況で高い雪上性能を発揮できる夏用タイヤという消費者ニーズに対応すべく、開発し
たという。
具体的には、従来型と比較して雪上でのブレーキング性能を7％向上。ウェット路面でのブレーキング性能も6％、ドライ路面でのブレーキング性能も5％向上するなど、さまざまな路面環境への対応力がアップされている。さらに新品時の高い性能が、長期間にわたって維持される性能維持力も備えられた。
新たに投入された主な技術としては、ドライ、ウェット、雪上路面など、刻々と変化する路面状況に幅広く対応し、一年を通して安全性に寄与する新開発のトレッドコンパウンド「サーマル・アダプティブ・コンパウンド」の採用や、センター部からショルダー部にかけて、溝面積が広くなる新設計により、排水・排雪性能に貢献するV字角の新トレッドパターン「新Vシェイプトレッドパターン」の採用。ブロック同士がお互いに支えあい、倒れこみを抑制することで、夏・冬路面に効果的なグリップを発揮するとともに、耐摩耗性と転がり抵抗低減に寄与する「エルイーブイサイプ（LEVサイプ）」の採用などが挙げられる。
摩耗するにしたがって、ブロック側面に凹凸と溝が出現し、効率的に排水、排雪をしながらも、エッジ効果により摩耗時におけるウェット・雪上性能を向上させる「ピー エッジ（P-Edge）」も、重要な技術の一つだ。
また、スリップサインに対し摩耗度が3段階(25%・50%・75%)でわかる新デザインの「トレッドウェアサイン」や、国際基準で定められたシビアスノータイヤ要件に適合する事を表す「スリーピークマウンテンスノーフレークマーク」と「M+S」が刻印され、冬用タイヤ規制時でもチェーン装着が不要となった点も、さらなる使い勝手の向上に寄与すポイントとなっている。
商品説明を担当した乗用車・商用車タイヤ事業部マーケティング部 ブランド戦略マネージャーの黒谷繁希氏は、「正に、従来からのターゲット消費者である『突然の雪に慌てない走行性能が欲しい』、『夏タイヤの性能は絶対にキープしたい』、『季節ごとのタイヤ交換から解放されたい』という3つの性能を求めるユーザーにピッタリのモデルに進化を果たした」と断言した。
CROSS CLIMATE 2は、2021年10月8日より順次発売予定。サイズは15インチから20インチの合計61サイズ、価格はオープンとなっている。
