#11 ヌービル(ヒュンダイ)が母国ベルギーでは初のWRC開催となった一戦を制した。《Photo by Red Bull》

世界ラリー選手権(WRC)第8戦がベルギーで現地13〜15日に開催され、ティエリー・ヌービルが母国初のWRC開催戦で今季初優勝を達成した。ヒュンダイが6戦ぶりに勝ち、トヨタはカッレ・ロバンペラの3位が今回の最高位。勝田貴元はクラッシュでリタイアとなっている。

ベルギーでのWRC開催は今回が初。ベースとなる伝統のターマック戦(舗装路戦)「Ypres Rally」の“WRC昇格”に関しては、昨季もコロナ禍のカレンダー変更のなかを浮上する格好でカレンダー入りを果たしていたものの、最終的には開催中止となった経緯があった。今季は開催を迎えることができ、ベルギーでのWRC初開催実現という運びになっている(F1開催コース「スパ・フランコルシャン」の一部も使用)。

このところ「トヨタ・ヤリスWRC」勢に5連敗を喫していた「ヒュンダイi20クーペWRC」勢だが、今回は支配的な流れでラリーを進め、そのまま押し切って1-2フィニッシュを達成。優勝は#11 ティエリー・ヌービルで自身今季初勝利、ヒュンダイは今季2勝目である。2位には#42 クレイグ・ブリーンが入った。

ベルギー国籍の#11 ヌービルにとっては母国戦での勝利。「大きなプレッシャーがあったけれど、この週末を快適に過ごすことができた。信頼できるチームとマシンがあったからね」と語り、メモリアルな勝利を喜んだ。今季は前戦まで7戦して3位5回で優勝と2位がなかった#11 ヌービル、昨年1月のモンテカルロ以来という1年半以上ぶり、待望の勝利となった。

連勝が5で止まったトヨタ勢は3〜5位で、3位が前戦で初優勝した#69 カッレ・ロバンペラ、4位が#33 エルフィン・エバンス、5位に#1 セバスチャン・オジェという順番だった。6位はヒュンダイの#8 オット・タナク。

ドライバーズポイントランキングでは首位の#1 オジェがランキング2位の#33 エバンスに対するリードを37点から38点に広げている。ラリー総合順位では今回、4位のエバンスが12点で5位のオジェは10点だったが、最終パワーステージのボーナスがエバンス1点、オジェ4点だったため、差は1点開くこととなった。また、ランキング3位の#11ヌービルが今回優勝でポイントを伸ばし、#33 エバンスと同点に並んでいる(上位入賞回数の比較で厳密にはエバンスがランキング上位の模様。目下オジェ162点、エバンス&ヌービル124点)。

マニュファクチャラーズタイトル争いではトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)のヒュンダイ(HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAM )に対するリードが縮まり、348対307で41点差。

#18 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)は今回、コ・ドライバーがキートン・ウイリアムズに代わっての参戦だった。しかし土曜日(14日)にクラッシュがあり、そのままリタイアとなっている。

WRCの次戦第9戦は9月9〜12日、ギリシャで開催される「アクロポリス・ラリー」。往年の名物イベントの名がWRCに帰ってくる予定だ。

(*上記の結果等は、日本時間16日未明の段階でのWRC公式サイト等の情報・表示に基づく)

優勝したティエリー・ヌービル(中央右)と、そのコ・ドライバーであるマーティン・ヴィーデガ(同左)。《Photo by Red Bull》 こちらはヌービルのゴール直後の喜び(背中はヴィーデガ)。《Photo by Red Bull》 #42 ブリーンが2位に入り、ヒュンダイは1-2フィニッシュ。《Photo by Red Bull》 F1で見慣れた光景を走るのは今回3位の#69 ロバンペラ(トヨタ)。《Photo by Red Bull》 WRC第8戦ベルギーの表彰台。《Photo by Red Bull》 #18 勝田貴元(トヨタ)は今回、クラッシュでリタイアという結果に。《Photo by TOYOTA》 #18 勝田貴元(トヨタ)は今回、クラッシュでリタイアという結果に。《Photo by TOYOTA》