ドゥカティ モンスター 新型を丸山浩&小鳥遊レイラが語る《写真撮影 雪岡直樹》

1993年に登場して以降、スーパーバイク由来のフレームとスポーティーなエンジンで人気を博したドゥカティ『モンスター』。バイクを走らせる楽しさを最大限に追及したモデルとして多くの人に愛されたモデルとなった。そんなモンスターがフルモデルチェンジ。今回はその新型モンスターに、プロレーサーの丸山浩氏と「ことりちゃん」こと小鳥遊レイラが試乗。その魅力を語り合った。



◆ハードルの高さがベテラン受けする要素だった

丸山浩(以下、丸山):僕は空冷Lツイン時代の昔から最新の水冷V4まで、世界のサーキットでもひと通りドゥカティを乗ってみた経験があるのだけれど、ことりちゃんがこれまで乗ったことのあるドゥカティって何だった?

小鳥遊レイラ(以下、ことり):まだ大型免許取れたての頃、これだったら乗れるんじゃないかって勧められて最初に乗ったのが『スクランブラーICON』でした。その次に乗ったのが、スポーツタイプの『パニガーレV2』。こちらは鋭いというイメージ通りで、ドゥカティらしさを非常に感じたバイクという感じがしました。

丸山:僕もVツインでトルク感たっぷり、そして速さもあるパニガーレV2がドゥカティらしさを一番表現していると思う。そうしたマシンに対して、新型モンスターはどういう印象だった?

ことり:パニガーレの鋭さから比べると、このモンスターはとても軽くて乗りやすいという印象でしたね。


丸山:本当に乗りやすいよね。これまでドゥカティらしさと言うと、エンジンの鼓動感もさることながら、攻撃的なポジションから来る圧迫感のようなものも特徴だったと思う。前傾姿勢がきついとかシートが高いとか。以前のモンスターだと広すぎるハンドルに、ステアリング角が少ないというのも目立っていた。そんなハードルの高さもベテラン受けする要素だった。でも、新型モンスターに乗ると、このポジションは至って普通のネイキッドだね。前傾もきつくなくコンパクトで、250でもこのくらいのバイクありそうではないかな?

ことり:そうなんです。私の愛車のスズキ『GSX250R』より車重は10kgほど重いですが、それをあまり感じさせないので、引き起こしや取り回しもとてもラクでした。足着きも母指球までしっかり接地しますし。私だとつま先までしか着かない250も少なくないので驚きです。これなら初心者がツーリングに行っても困ることは少ないでしょうね。でも、エンジンを回せばしっかりLツインエンジンらしいパワーとトルクがあって、ドゥカティらしいフィーリングを味わえるところが魅力的です。

◆フレンドリーすぎる?新型モンスター


丸山:ことりちゃんの考える「ドゥカティらしさ」ってどういうこと?

ことり:やっぱりエンジンの爆発の雰囲気とか低速のドカドカドカーという鼓動感でしょうか。それがしっかり新型モンスターにもあります。私としては乗りにくいと感じるところを取り除かれたうえで、このドゥカティらしいスタイルを受け継いでいると感じました。これなら、ドゥカティに憧れを持っていたけど、ハードルが高くて諦めていたライダー層も取り込めると思いましたね。

丸山:まあ、これまでのドゥカティを知っている僕としては、ちょっとフレンドリーになりすぎて淋しい気持ちがあるのも正直なところだけれど、これからドゥカティに乗る人たちにはこれが正解なんじゃないかな。いきなりパニガーレに乗っても、たぶん圧倒されて乗りこなせず仕舞いになってしまうかもしれないからね。

それならば、まず新型モンスターに乗ってLツインの雰囲気に慣れて、物足りなくなってからパニガーレなどに乗り換えていく方が楽しめると思う。ことりちゃんも言っているように新型モンスターは回すとしっかりパワーが出るし、速く走ろうと思えばちゃんと車体が応えてくれるポテンシャルを持ってる。



◆「優しさ」にドゥカティの気概を感じた

ことり:車両全体の質感もドゥカティらしい上質さとセンスの良さがあって良いなと思いました。それに最新装備も取り入れられていて、例えばウインカーもすごいですよ。いわゆる流れるウインカーになっています。

丸山:カスタムパーツじゃなくて、最初からシーケンシャルタイプになっているんだね。メーターもフルカラーTFTだし、ブレーキのマスターシリンダーもブレンボを使っているとか、高価なパーツをたくさん身につけているところは妥協なしで本気で作っているという証かな。ヘッドライトはLEDだけど、リングの周囲を取り囲むようにポジションランプが配置されているおかげで、モンスターらしいイメージを保ちつつも、被視認性を上げているね。


ことり:乗りやすくて、エンジンに味があって、所有感も高くて、ビギナーからベテランまで幅広く満足させるなんて、ホントに欲張りなバイクですね!

丸山:今まではドゥカティというと、少しベテラン向けというか、ある程度バイクに慣れている人でないと扱えない難しさがあったと思うんだけど、今回の新型モンスターはそういった壁を取っ払ってもっと多くの人にドゥカティに触れて楽しんで欲しいという気概を感じた。それが、これからのドゥカティのスタンダードスタイルになっていくのかもしれないね。



小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃん
レースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、一昨年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。先日、MFJロードレース国内ライセンスを取得して、今年は2輪でもレースに参戦予定。イベントMCから2&4輪の耐久レース参戦まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

丸山浩|プロレーサー、テストライダー・ドライバー
1988年から2輪専門誌のテスターとして活動する傍ら、国際A級ライダーとして全日本ロード、鈴鹿8耐などに参戦。97年より4輪レースシーンにもチャレンジ。スーパー耐久シリーズで優勝を収めるなど、現在でも2輪4輪レースに参戦し続けている。また同時にサーキット走行会やレースイベントをプロデュース。地上波で放送された「MOTOR STATION TV」の放送製作を皮切りに、ビデオ、DVD、BS放送、そして現在はYouTubeでコンテンツを制作、放映している。また自ら興したレースメンテナンス会社、株式会社WITH MEの現会長として、自社製品、販売車両のテストライド、ドライブを日々行っている。身長は168cm。

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