スズキ・アルト (インド仕様)《photo by Suzuki》

スズキは8月5日、2021年4〜6月期(第1四半期)の連結決算を発表。大幅な増収・増益となったが、コロナ禍前の水準には届かなかった。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大による深刻な影響があった前年同期に比べ、売上高は大幅な増収。98.8%増の8454億円となった。営業利益は売上増加、特に在庫車の販売促進や為替差益等により、545億円(前年同期は13億円)を確保した。しかし、前々年同期に比べると売上高で621億円減少、営業利益で82億円減少とコロナ禍前のレベルまでには戻っていない。

経常利益は、金融収支改善380億円等により、1108億円(同144億円)に増加。純利益は前年同期が新型コロナウイルス関連損失154億円を計上したのに対し、当期は旧豊川工場跡地売却益180億円等を計上したことで、848億円(同17億円)となった。

四輪車事業は、売上高が前年同期比106.5%増の7588億円。営業利益は売上増加、特に在庫車の販売促進や為替差益等により420億円(同2400万円)となった。

二輪事業は、新型『ハヤブサ』の投入効果や事業体質改善の進捗等により、売上高は同64.5%増の575億円、営業利益は44億円(同30億円の損失)と黒字化した。

マリン事業は、北米での船外機の販売が引き続き堅調に推移しており、売上高は同28.7%増の260億円、営業利益は同77.9%増の68億円。その他事業は売上高が同14.3%増の31億円、営業利益は同167.8%増の13億円となった。

未定としていた通期業績予想については、売上高は前期比7.0%増の3兆4000円、営業利益は同12.6%減の1700億円、経常利益は同11.4%減の2200億円、純利益は同2.4%減の1500億円とした。通期業績予想は、半導体不足の見通しが不透明のため、工場稼働への影響は期末まで続く前提。また、原材料価格の高騰、研究開発費の増加等もあり営業利益は減益となる見通し。当期の研究開発費は年間で1900億円と前期に比べ438億円増加する見通しで、スズキは電動化を中心とした研究開発を積極的に推進していく。

スズキ・ワゴンR 新型(インド仕様)《photo by Suzuki》