ホンダが8月4日にオンライン会見で発表した2022年3月期の第1四半期(4〜6月期)連結決算は、コロナ禍の影響があった咋年に対して販売が大きく回復し、営業利益は2432億円(前年同期は1136億円の赤字)となった。
半導体不足などの影響はあるものの、通期予想は上方修正した。第1四半期の四輪車グローバル販売は26%増の99万8000台となった。小売りベースでは主力の米国が66%増の48万6000台と大きく回復したほか、日本は6%増の13万4000台だった。昨年の回復が早かった中国は2%増の39万6000台と小幅増にとどまった。
営業損益段階での販売増による増益効果(売上変動・構成差等)は3071億円にのぼった。為替も1ドル109円で1円の円安となるなど、通貨変動全体での増益影響は442億円となった。原材料費が高騰するなか、コストダウンにも務め232億円の増益効果を確保している。売上高は69%増の3兆5838億円、純利益は2225億円(前年同期は808億円の赤字)だった。
通期の四輪車販売計画は、半導体不足やアジア諸国でのロックダウンによる部品供給の影響などにより、期初時点より15万台下方修正の485万台(前期比7%増)とした。しかし、費用削減などにより通期業績は上方修正した。営業利益は、従来比で1200億円多い7800億円(18%増)、純利益は800億円増額の6700億円(2%増)とした。売上高は2500億円上方修正の15兆4500億円(17%増)に変更している。
オンラインで会見した倉石誠司副社長は、第1四半期の業績について「半導体の供給不足や原材料費高騰の影響などはあったが、販売増に加え、かねて取り組んできた既存事業の盤石化効果もあった」と評価した。また、通期業績の上方修正に関しては「新型コロナ感染の再拡大影響や最新の半導体の供給計画を反映して販売台数を変更したものの、その影響は更なる販管費の抑制やコストダウン効果などで吸収する」と述べた。
半導体やアジアからの部品供給のひっ迫に対しては「生産影響がグローバルでミニマムになるように構える」とし、半導体については「(ロックダウンで生産を休止する)アジアの工場で余ったものを日本や中国に振り向ける取り組みも進めている」と明らかにした。
ホンダ 倉石副社長「半導体不足の影響は費用減で吸収する」…通期営業利益を7800億円に上方修正
2021年08月04日(水) 17時34分