トヨタ自動車は8月2日、『ランドクルーザー』の旗艦モデルであるステーションワゴンタイプを14年ぶりに全面改良し、同日から国内販売を始めたと発表した。1951年8月に初代モデル(トヨタBJ型)が登場してから70年の節目も迎えた。
新型は2007年に発売の「200シリーズ」の後継で、「300シリーズ」となった。排ガス規制によって200シリーズでは廃止されていたディーゼルも3.3リットルV6型ツインターボエンジンを採用し、14年ぶりに復活した。ガソリン車は3.5リットルのV6型ツインターボエンジンを搭載している。
ランクル伝統の「信頼性・耐久性・悪路走破性」を継承しながら、運転しやすく疲れにくい走りを目指したという。その実現に向け、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の考えに基づく、フレーム構造用の「GA-F」プラットフォーム(車台)を新採用した。高い剛性確保とともに約200kgにも及ぶ軽量化を図り、環境負荷の低減や走りの向上などにつなげた。
ランクルの悩みである盗難への対策として、指紋認証スタートスイッチをトヨタでは初採用した。スマートキーを携帯し、ブレーキを踏みながらスタートスイッチ中央部の指紋センサーにタッチして始動するが、登録された指紋情報と一致しなければエンジンはかからない機構としている。
また、1995年から市販車部門への参戦を続けているダカールラリーのドライバーからのフィードバックを元に、サスペンションや内外装に特別仕様の部品などを採用した「GR SPORT」を新グレードとして設定した。300シリーズ全体の価格(税込)は510万円から800万円となっている。
開発責任者であるMS製品企画ZJの横尾貴己主査は、ディーゼル車の復活について「2015年にプラドで復活させた際、お客様から『ランクルの走りに合うのはやはりディーゼル』という声を多くいただいた。この300シリーズの開発では、最初から復活させる方針だった」と説明した。
一方、今回の全面改良で最も苦心した点は、信頼性や走破性という伝統を進化させながら、カーボンニュートラルに向けた環境の視点からも軽量化を図ったことと指摘。そのうえで新プラットフォームなどにより、「ランクルの信頼性をしっかり守ったうえで、軽量化と両立させることができた」と評価した。
【トヨタ ランドクルーザー 新型】開発責任者「信頼性と軽量化の両立に苦心」…盗難対策でトヨタ初の指紋認証
2021年08月02日(月) 15時47分
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