マセラティ MC20(グッドウッド2021)《photo by Macerati》

マセラティは7月9日、新型スーパーカーの『MC20』が、英国で開幕した「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に参加し、ヒルクライムに出走した、と発表した。

MC20の「MC」とは、マセラティ・コルセ=マセラティ・レーシングを意味する。「20」は2020年を指し、マセラティの歴史の新しい始まりを意味している。MC20は、2004年に発表された『MC12』に続くマセラティのスーパーカーとなる。

◆0-100km/h加速2.9秒以下で最高速325km/h以上

マセラティMC20のミッドシップには、新開発の3.0リットルV型6気筒ガソリンツインターボエンジンを搭載する。「ネットゥーノ(Nettuno)」と命名された新エンジンは、マセラティが自社開発し、イタリアのモデナ工場で組み立てられる。

新しいパワーユニットは、バンク角90度のV6アーキテクチャーを基本として、ツインターボとドライサンプ潤滑システムを採用した。3.0リットルの排気量から、最大出力630ps/7500rpm、最大トルク74.4kgm/3000〜5500rpmを引き出す。

レブリミットは8000rpmで、リッターあたりの出力は210psだ。圧縮比は11:1、ボア×ストロークは88×82mmとした。新たな「メイド・イン・モデナ」エンジンは、伝統的な90度V6レイアウトを基本としながら、これまでに例のないレベルのパワーとトルクを実現しているという。MC20の動力性能は、0〜100km/h加速2.9秒以下、最高速325km/h以上だ。

MC20は、カーボンファイバーなどの使用により、車両重量が1500kg以下に抑えられた。クラス最高のパワーウェイトレシオ2.33kg/psを実現している。

◆ブランド初のバタフライドア

MC20の特長が、ブランド初のバタフライドアだ。これは、車内の人間工学を改善し、キャビンへのアクセスを可能にする機能的なドアとして開発された。空力特性は、ダラーラの風洞実験室での2000時間以上に及ぶテスト、1000回以上のCFD(数値流体力学)シミュレーションによって設計された。MC20のデザインを損なうことなく、ダウンフォースを向上させるために、目立たないリアスポイラーを装着している。

インテリアは、ドライバーが運転に集中しやすい環境を第一に設計された。2つの10インチスクリーンが装備され、1つはコックピット用、もう1つは「マセラティ・マルティメディア・システム(MIA)」用だ。 カーボンファイバーで覆われたセンターコンソールには、ワイヤレスのスマートフォン充電器、ドライビングモードセレクター(GT、Wet、Sport、Corsa、ESC Off)、2つのギアシフト用ボタン、パワーウィンドウスイッチ、マルチメディアシステムコントロールなどが配置されている。

その他のコントロールはすべてステアリングホイール上にあり、左側がイグニッションボタン、右側がローンチコントロールだ。MC20は、「マセラティ・コネクト・プログラム」で常時ネットワークに接続される。このプログラムでは、コネクテッドナビゲーション、アマゾン(Amazon)の音声アシスト「アレクサ」、Wi-Fiホットスポットなどのサービスが提供され、スマートフォンやスマートウォッチの専用アプリで管理することも可能だ。

◆およそ1.9kmのコースを駆け上がる

このMC20が、英国で開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに参加し、ヒルクライムに出走した。グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは1993年、マーチ卿がイングランドのウエストサセックス州グッドウッドの広大な邸宅で始めたイベントだ。世界中から新旧のレーシングカーをはじめ、希少な自動車が集結して賑わいを見せる。

フェスティバルの恒例行事が、ヒルクライム。スーパーカーを含めた市販車だけでなく、F1やWRC(世界ラリー選手権)マシンなどが、およそ1.9kmのコースを一気に駆け上がり、観客を沸かせる。

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