アストンマーティン DBR1 と V12 スピードスター「DBR1」仕様《photo by Aston Martin》

アストンマーティンは7月5日、英国で7月8日に開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、『V12スピードスター DBR1』(Aston Martin V12 Speedster DBR1)の実車を初公開すると発表した。

『V12スピードスター』は、アストンマーティンのオーダーメイドサービス部門の「Q byアストンマーティン」と、アストンマーティンのデザイナー&エンジニア、ボーイングが共同開発した。アストンマーティンによると、最先端のモータースポーツと航空技術を組み合わせた2シーターのドライブマシンになるという。

◆1959年のルマン24時間レースを制した「DBR1」

V12スピードスターのデザインには、1959年のルマン24時間耐久レースとニュルブルクリンク1000kmレースで優勝したアストンマーティン『DBR1』と、2013年に発表された『CC100』スピードスターコンセプトの2台のモチーフを取り入れている。アストンマーティンの最新スポーツカーで使用されているのと同じ素材と技術も導入した。

ルマンで優勝したDBR1は、V12スピードスターに影響を与えている。アストンマーティンのモータースポーツの歴史において、最も注目を集める勝利を記録したのが、DBR1だ。DBR1は1950年代の同じ年に、世界スポーツカー選手権とルマン24時間の両方で優勝した3台の車のうちの1台。DBR1はモータースポーツでの活躍だけでなく、デザイン面での優雅さも、アストンマーティンの名車としての価値を高めている。

◆フルオープンボディはルーフやフロントスクリーンなし

V12スピードスターは、ルーフもフロントスクリーンもなく、巨大なV12エンジンと、低く幅広いショルダー、2個のハンプ、ドライバーとパッセンジャーを分離する背骨のような形状を持つエモーショナルなスタイリングを追求した。ボンネットの先端には隙間が開いている。『DB6』を最後に使われなくなったデザインだが、V12スピードスターで復活を果たした。これには、V12エンジンを搭載するスペースを稼ぐ狙いがあるという。

ボディのほとんどが、カーボンファイバー製。エキゾーストチップやベントグリル、ベーンは、マットブラック仕上げとしている。

インテリアは、素材の面で伝統とモダンを融合させた。構造部材として機能するサテンカーボンファイバーと伝統のハンドクラフトサドルレザー、クローム、アルミ、3Dプリントラバーを調和させることを目指した。具体的には、サテンダーククローム、マシンドアルミ、ブラックレザー、ブラックテクニカルテキスタイル、ブラックーペット、アストンマーティンのロゴが刻印されたビビッドレッドのドアシルなどを採用する。助手席の前方の通常はグローブボックスが配置される場所に、リムーバブルのレザーバッグを装着した。リアバンプの下には、収納スペースを設けている。

◆レーシンググリーンにクラブスポーツホワイトのピンストライプ

このV12スピードスターに設定されるのが、カスタマイズ仕様のDBR1だ。「アストンマーティンレーシンググリーン」をまとったボディには、「クラブスポーツホワイト」のピンストライプとロンデルが配され、クラブスポーツ・リップスティック・グラフィックを備えたサテンシルバーのアルマイトリルを装着。コックピットには、コンカーサドルレザー、ビリジアングリーンのテクニカルテキスタイル/ケイスネスレザーを採用した。アストンマーティンによると、オリジナルのDBR1が最も輝いていた時代を表現しているという。

透明なリアウィンドウの中には、アストンマーティンレーシンググリーンで塗装されたドライバー&パッセンジャー用のヘルメットが置かれた。その一方、ソリッドシルバーのウィングエンブレムは、透明なエナメルカバーの中に配された。キャビンには、グロスカーボンファイバー、ケースネスグリーンのレザー、サテンシルバーの艶消しアルミ製スイッチギアを採用する。

足元には、サテンブラックダイヤモンド旋削仕上げによる21インチセンターロックホイールを装備した。車体の塗装プロセスには、50時間以上を費やしている。

◆5.2リットルV12ツインターボは最大出力700ps

パワートレインには、5.2リットルV型12気筒ガソリンツインターボエンジンの高性能バージョンが搭載される。最大出力は700ps、最大トルクは76.8kgmを引き出す。このV12エンジンは、トランスアクスルレイアウトのZF製8速ATと組み合わせられる。動力性能は、0〜100km/h加速3.4秒、最高速318km/hだ。

アストンマーティンのエンジニアは、V12ユニットを搭載するにあたって、専用のステンレス製エグゾーストシステムを開発した。リアエンド中央のディフューザーの上に取り回されたエグゾーストは、野太く、キャラクターあふれるサウンドを生み出すという。

アストンマーティン最新の接着アルミ構造を採用した。フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクのサスペンションには、コイルスプリングとアダプティブダンピング(スポーツ、スポーツ+、トラックの3モード)を組み合わせる。カーボンセラミックブレーキは、フロントに410mm径、リアに360mm径のディスクを装着した、としている。

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