ポルシェ・カイエン・ターボ GT《photo by Porsche》

ポルシェは6月30日、『カイエン・ターボGT』(Porsche Cayenne Turbo GT)を欧州で発表した。「カイエン」シリーズの内燃エンジン搭載車としては、最強モデルとなる。

◆0-100km/h加速は3.3秒

カイエン・ターボGTのベースは、「カイエン・ターボクーペ」だ。直噴4.0リットルV型8気筒ガソリンツインターボエンジンは、最大出力が90ps引き上げられ、640psを獲得する。最大トルクは86.7kgmと、8.2kgm上乗せされた。

クランクシャフトドライブ、ターボチャージャー、ダイレクトフューエルインジェクション、インダクションシステム、インタークーラーなどに大規模な変更が施された。V8エンジンは、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン、タイミングチェーンドライブ、ねじり振動ダンパーなどがカイエンターボクーペのV8とは異なる。これらのコンポーネントは、640psに増加した最大出力と向上したドライビングダイナミクスに合わせて設計されているという。

このツインターボエンジンは、ポルシェで最もパワフルな8気筒ユニットだ。高速でシフトする8速「ティプトロニックS」と「ポルシェトラクションマネジメント(PTM)」システムも変更された。トランスファーケースのウォータークーラーも追加されている。これらの結果、カイエン・ターボGTは0〜100km/h加速3.3秒と0.6秒短縮。最高速は14km/hプラスされ、300km/hに到達する。

◆専用開発されたシャシーシステム

カイエン・ターボGTには、専用開発されたシャシーシステムとパフォーマンスタイヤが標準装備される。車高は、カイエンターボクーペと比べて、最大17mm低い。これに基づいて、パッシブシャシーコンポーネントとアクティブコントロールシステムの両方が再設計されており、ハンドリングとパフォーマンスが最適化された。

また、それらの間の完全な相互作用を実現するための専用のキャリブレーションも備える。例えば、3チャンバーエアサスペンションの剛性が最大15%向上し、「ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)」のダンパー特性、「パワーステアリングプラス」、リアアクスルも専用チューニングされた。「ポルシェダイナミックシャシーコントロール(PDCC)」アクティブ制御ロール安定化システムは、パフォーマンス指向の制御ソフトウェアで作動する。その結果、ロールの安定性とロードホールディングがさらに向上し、高速コーナリングではさらに精確なターンインを実現しているという。

「ポルシェトルクベクトリングシステム」は、これに合わせてより高いトルクバイアス比を可能にした。最適化されたフロントアクスルもハンドリングを改善する。専用開発された22インチのピレリ「P Zero Corsa」パフォーマンスタイヤは、カイエンターボクーペと比較してフロントホイールが1インチ広く、ネガティブキャンバーは0.45度増加して、大きな接地面を持つ。「ポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)」システムも標準装備されている。

◆300km/hの最高速でのダウンフォースが最大40kg増加

エクステリアは、目立つスポイラーリップと大型サイドクーリングエアインテークを備えた専用フロントバンパーを装備する。流線型のカーボンルーフとブラックのホイールアーチエクステンション、ネオジムの22インチのGTデザインホイールも採用された。ルーフスポイラーに縦方向に取り付けられたカーボンサイドプレートは専用となる。

また、カイエン・ターボクーペよりも25mm大きいアダプティブ展開式リアスポイラーリップも専用装備した。これによって、300km/hの最高速でのダウンフォースが最大40kg増加するという。リアには、カーボン製ディフューザーパネルを装備した。オプションで、新しいアークティックグレーのボディカラーが選択できる。

中央にテールパイプを備えた標準装備のスポーツエグゾーストシステムは、カイエンターボGT専用だ。リアサイレンサーを含む車両中央からのエグゾーストシステムは、軽量で耐熱性に優れたチタン製とした。センターサイレンサーを削除したことで、さらなる軽量化も実現するという。

◆新世代のインフォテインメントシステムを初採用

インテリアは、アルカンターラを多用した。8方向に調整できるフロントスポーツシート、独立した2席のスポーツリアシートも標準装備される。それぞれのシートは、専用のアルカンターラパンチングシートセンターパネル、ネオジムまたはアークティックグレーのコントラストアクセント、ヘッドレストの「turbo GT」ロゴが備わる。マルチファンクションスポーツステアリングホイールには、12時位置にイエローマーキングが付く。トリムの仕様に応じて、アクセントストリップはマットブラック仕上げになる。

新世代の「ポルシェ・コミュニケーション・マネジメント(PCM)」システム、「PCM6.0」が初採用される。新しいユーザーインターフェースや、新しいオペレーティングロジックを導入した。従来からのApple 「CarPlay」に加えて、「Apple Music」と「Apple Podcasts」の統合も可能になった。さらに、インフォテインメントシステムは、グーグルの「Android Auto」にも対応。これによって、全ての一般的なスマートフォンを車載ディスプレイに統合することができる、としている。

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