三菱電機《写真撮影 高木啓》

エレベーターの品質検査や安全認証基準などをめぐる問題や社員のパワハラ自殺などでは時折、紙面をにぎわすことも少なくない三菱電機だが、こんどは鉄道車両向け空調機器について、30年以上にわたって、架空のデータを用いる不正な検査を行っていたことがわかったという。

きょうの朝日と毎日が1面トップで報じたほか、各紙も社会面などで取り上げているが、読売は「不正が行われていたことがわかったと発表」。日経は地方に発送する12版まで関連記事は見当たらず、都内の最終版での掲載。三菱電機では6月29日に開いた株主総会では6月中旬に社内調査で発覚したものの、この不正について株主には説明しなかったが、その夜、朝日などの報道で、「速やかに対応を進め、内容を公表する」との声明を出すなど、その対応に混乱ぶりもみられた。

朝日などの記事によると、鉄道向けの空調設備の出荷検査で、30年以上にわたって不正が行われていたのは長崎製作所で製造し、JRや私鉄、東京メトロの地下鉄など全国の鉄道会社に納入しているという。不正があったのは、鉄道車両の上部に取り付ける空調設備で、納入先の顧客が指定した検査を行わないまま、1980年代から出荷していたという。

ただ、三菱電機では「安全性に問題はない」としている。三菱電機に限らず、自動車メーカーなどでもデータの改ざんや不適切な検査が発覚した場合、会社側は「安全、機能、性能に問題はない」とのコメントをよく耳にするが、何のためのJIS(日本工業規格)なのかとも疑わざるを得ないばかりか、日本のモノづくりの信頼性の低下にもつながりかねない。

2021年6月30日付

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